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約束の日、僕はデジカメや競泳水着の入った手提げ袋を持って、待ち合わせ場所の駅前に行った。 待ち合わせ場所に近づくと、なにやら短めのTシャツと短パンという大胆なヘソ出しルックの、顔がメチャちっちゃくって スタイル抜群の、脚のすっげーきれいな女の子がいて、周りの視線浴びまくりの注目されまくりで、なにあのオンナ 超ヤベーマジかっけぇーなどと感嘆しつつ、よく見たら神原だった。 「やあ、阿良々木先輩」 「よ、よう、神原。…つーかお前、なんつー格好してんだよ…」 「これか? …これは先輩に、わたしの肉体により強い性的な関心を持ってもらおうと思ってだな」 「神原の脚線美を見ることができて僕も嬉しいけど、その露出の多い格好は、町中みんなの視線を誘導しているぞ」 「うん、さっきから道行く男の人たちの、肉欲と劣情に満ちた視線を感じていた」 「当たり前だ」 「…とても気持ち良かった」 「気持ち良かったんかい!」 ほんとうにエロいやつだ。 「そんな格好してて、家を出るとき、ばぁちゃんに何か言われなかったのかよ」 「『きれいだよ駿河、これなら阿良々木君もお前にメロメロだよ』と言って喜んでいた」 「ばぁちゃん…」 「『阿良々木君の精液が枯れ果てるまで、たっぶり逢引きを愉しんでいらっしゃい』とも言っていた」 「絶対に言ってねえー─ッ!」 「どうだろう阿良々木先輩、先輩はわたしのこの格好を見て、激しく肉欲を掻き立てられはしなかったか?」 「肉欲とか言ってんじゃねえ!」 「では、わたしのこの格好を見て、抑え切れない衝動が身体中を駆け巡ったり、これまでにない情欲の炎に身体じゅうを 焦がされはしなかったか?」 「どうしてそっち方面の語彙がそんなに豊富なんだよ!」 いやまぁ… そりゃムラムラッとはしたけどさ。 「そういやぁ神原、お前最近、手に包帯してないよな」 包帯を巻いてない彼女の左腕は、すっかり元通りに戻っていた。 「うん、…おかげさまで、あまり目立たなくなってきたのでな、隠すのはやめたのだ」 僕は神原の左手を手にとって、しげしげと眺めた。 元々無事だったほうの右手とくらべてみても、長さもいっしょだし、おかしいところは何もない。 太く節くれ立っていた手の指も、人間の女の子らしく、すっきりしている。爪のかたちもきれいだ。 ほんのちょっと、うぶ毛が濃いぐらいだろうか…。 左手の包帯という記号をとっぱらってしまうと、神原の元からのスタイルの良さがひときわ際立ってみえる。 どうしてさっき、すぐに神原だと気付かなかったのか… ようやく僕は、彼女が手に包帯をしていなかったせいだと気が付いた。 元の美しいすがたを取り戻した神原は、改めてじっくり見ると、びっくりするほど綺麗なプロポーションをしていた。 「予想していたより、戻るのがだいぶ速かったな」 「うん。…忍野さんには、元通りになるまで何年もかかるといわれていたのだが」 「前のような怪力も、もうなくなっちゃったんだ?」 「ああ、ふつうの女の子並みの力しか出ない。なにもかも元通りだ」 「ちょっと、確認させてもらうぞ」 そう言うと、僕は神原の左手を手にとって、その指を口に含んで、れろれろと舐めまわした。 「ちょっ、…阿良々木先輩?」 吸血鬼の味覚で探っても、何もあやしいところはなかった。しなやかでやわらかい、女の子の指。 レイニーデビルは、ほんとうに影も形も無く消えてしまっていた。 僕は神原の手から口を離して、言った。 「うん、フツーの人間の味だ。…怪異の気配は感じない」 そのときになってようやく僕は、自分が後輩を相手に衆目監視のなかでバカップルのような振る舞いをしているのに気が付いた。 突然のことに、神原はしばらくあっけにとられていたが、その手を口元まで持ち上げると、そのままぺろりと舐めた。 「うん、阿良々木先輩の味だ」 今度は僕が、あっけにとられる番だった。 「なぁ神原… なんで、僕の唾液がどんな味だか知ってるんだ?」 「おや、これでも二回ほど、阿良々木先輩の血飛沫を頭から浴びたことがあるのだ」 「あー… そうだったな」 神原には二度、半殺し… いや、全殺しの目に遭わされたんだっけ。 「最初に阿良々木先輩を襲撃した晩、先輩の血に塗れた左手で何度か顔をぬぐったらしく、朝起きたら顔に血がべったり ついていた」 ひょっとしたら神原、と僕は思った。…それが少しばかり口に入ったせいで、その左腕が元に戻るのが随分と速くなったのかも しれないな…。 神原は左手を胸に当て、右手で抱きしめるようにして、 「もしあの時、阿良々木先輩が身を挺して助けてくれなかったら… 何もかもあきらめて、この左手を切り落としてしまっていたら… そのことを思うと、阿良々木先輩と忍野さんのふたりには、幾ら感謝しても足りないくらいだ」 「それはいいよ。今日こうやってモデルになってもらうことだし」 「そのバッグに、プレイに使うアイテムが入っているのだな?」 「衣装とカメラだ… じゃあ行くぞ神原」 僕は神原の手をとって、歩き出した。 「ひょっとして阿良々木先輩は、わたしの左腕がこうして元戻りになったのを記念して、わたしのヌード写真を撮ってくれる ことにしたのか?」 「いやだから、ヌード写真じゃねえから…」 「阿良々木先輩は本当に優しいなあ…」 「そ~かあ~?」 「わたしも、こうして元のきれいな身体に戻ったからには、臆することなく、晴れて堂々と阿良々木先輩争奪戦に参加 できるというものだ」 「なんの争奪戦だって?」 「ほんとうに自覚が無いんだな… なぁ阿良々木先輩、もし仮に、わたしと先輩がそーゆー、男と女の関係になったとして」 「なんねーよ」 「もしそうなったとして… いったいわたしは阿良々木先輩の何人目のオンナになるんだろう?」 「何人目ってお前…」 「あれだけ沢山の恋人がいるんだし、べつにわたし一人増えたところで、阿良々木先輩にとっては大した問題では ないだろう」 「…お前はいったい何を言ってるんだ?」 「つまり、先輩になら、この肉体をさんざんなぐさみものにされたあげくヤリ逃げされたって、わたしは全然かまわないと いうことだ」 「どんな鬼畜だよ僕は…」 などと話しているうちに、目的地のラブホテルの前まで来ていた。 「では休憩していこうか、阿良々木先輩」 ホテルの部屋に入ると、神原はすぐさまTシャツと短パンを脱ぎ捨て、ブラとショーツだけになった。 「いきなり脱ぐんだ」 「即写即ハメ」 「ハメって言うな …着替えるあいだ、外に出てようか?」 「その必要はない。先輩に見られて恥ずかしいことなんてない」 俊敏な野生動物のように、ひとかけらのぜい肉もない、絞り込まれた身体。 伸び伸びとして均整のとれた、黄金率のようなプロポーションに、必要最小限の筋肉がバランス良くついていて、きゅっと くびれたウェストにも、うっすらと腹筋が浮かび上がっているのが見える。 彼女の卓越した運動能力は、筋量に頼ったものではなかった。しなやかで質の良い筋肉を自由自在に操ることで、コートの うえで人並み外れたスーパープレイを演じていたのだ。 後輩のスレンダーな下着姿をじっくりと堪能しながら、僕は言った。 「ブラとパンティーだけの神原も、いかにも少女って感じで、可愛いな」 「なるほど、清純な少女の純白パンティーほど汚しがいがある、というわけか…」 「邪まな捉え方だ!」 下着姿になった神原は、ベッドに腰掛けた僕の前まで軽やかなステップでやって来て、言った。 「わたしは、自分の部屋にいるときは、いつもこの格好なんだ」 「僕もそんなかんじだ」 「じゃあ阿良々木先輩… お互い、自分の部屋にいるときみたいなラフな格好をして、リラックスしたムードで撮影するのは どうだろう」 「そうだな。そうしよう」 僕もズボンを脱いだ。 神原の熱い視線が、トランクスごしに僕の股間に注がれるのを感じた。 「…シャツも脱いだほうがいい、阿良々木先輩」 「うん」 僕がTシャツを脱ごうとすると、神原が手を伸ばしてきて、脱ぐのを手伝ってくれた。シャツを脱ぎ終わったとき、ふたりは自然に 抱き合うようなかたちになっていた。 「ブラを外してくれ、阿良々木先輩」 「自分で外せよ」 「今は手が離せないんだ」 神原の両腕は、僕の首の後ろにしっかりと回されていた。 「だから、その腕を放せばいいじゃないか」 「駄目なんだ」 「どうして」 「先輩が逃げちゃうから」 「神原…」 僕も、神原の腰に手を回し、背中の割れ目をつーっと指でなぞった。 「そうだ、阿良々木先輩、モデル料のことなのだが …先輩の身体で払ってもらいたい」 「ああ、力仕事があったらいつでも呼んでくれ」 「そうじゃない、とぼけないでほしい」 「…は?」 「たった今、前払いで」 「それって… 僕、おいしすぎないか…?」 神原はいつもの人懐っこい微笑を浮かべながら、言った。 「阿良々木先輩、わたしを… 先輩の側室に加えて欲しい」 「側室ってなんだよ… 一介の男子高校生にそんな甲斐性ねーよ」 「じゃあ、先輩の二号さんにして」 「それはまた随分と人聞きが悪い表現だ…」 「じゃあ、先輩の性欲処理係」 「さらに聞こえが悪くなった!」 「じゃあ、先輩のカキタレ」 「なんで女子高生がそんな言葉知ってるんだよ! 僕だって知らねぇよ!」 「ちなみに、先輩の下半身はヘタレ」 「なぜバレた!」 「ヘタレだったのか!?」 「違います」 「じゃあ、ヘタレじゃないところを見せて」 「見せてって… ほら、もうこんなになってるし」 「ホントだ!」 僕たちは、お互いの身体に残った布を脱がしあった。 僕と神原はベッドのうえにあがると、向かい合うように座って、お互いの身体に手を回し、ゆったりと抱き合った。 ハチミツみたいな甘い匂いを胸いっぱいに吸い込みながら、僕は、美しく引き締まった体育会系女子のエロカッコ良い裸体をゆっくりと堪能した。 神原は顔だけでなく、身体も美しかった。 美少女であり、美体。まさに筋肉少女体。 バスケで鍛えたぜい肉の無いボディと、女性的なラインを描くお椀型のバスト。 僕にはちゃんと戦場ヶ原という正式な恋人がいたことなんて、そんなの別に関係ねぇじゃ~んなどと思えちゃうほど、神原の肉体はすてきだった。 彼女の健康的な肌はこちらにピッタリと張り付ついてくるようで、そのしたでなめらかな筋肉がすべるように動くのが 重ねた肌越しに心地良く感じられた。 …とは言っても、彼女と組み合うのはこれが二度目だ。…まぁ、あの時はとてもじゃないが、こんな平和なムードじゃなかったが。 あの晩、神原は全身に殺気をみなぎらせ、僕という存在を微塵に粉砕せんとばかりに、猛然と襲いかかってきた。 …が、今、僕の目の前に全てをさらけ出している彼女は、何だかとても頼りなげで、とても不安そうだった。 頬を上気させ、精悍なショートカットヘアを無造作に乱したままで、神原が言った。 「…阿良々木先輩」 「なに?」 「やっぱり、まだ… わたしのことが怖い?」 「いや、そんなことはない。…お前の中にはもう、あの時の怪異はいないし」 僕は神原のなめらかな左手を撫でた。 「この左手だってホラ、こんなにきれいになったし」 続いて、僕は神原のきゅっとくびれた脇腹に手を伸ばし、さらにシェイプアップされた太腿と、すらりと伸びたカーフを撫でた。 「それより、あの時、僕に蹴り入れられたところはどう?」 「なんともないよ」 「そうか、良かった」 神原はあきれたような顔をして、 「だって、先輩ったら『神原、御免!』って、先に詫び入れてから蹴り入れてくるんだもの… 全然不意打ちじゃなかったし」 「えー、そうだったっけ?」 神原は僕の左手首にそっと触れて、言った。 「自分は手首折られてたくせに… 相手の心配するなんて」 僕は顔をしかめた。 「いや~、ありゃあスッゲー痛かったな」 神原は続いて、僕の腹に手をあてると、優しく撫でさすった。ちょっとこそばゆい。 「そのあと、わたしにお腹を裂かれて臓物ぶちまけられて」 「その臓物をお前に引っ掴まれて、ぐるぐる振り回されて」 「ブン投げられて、思いっきり壁に叩き付けられて」 「あン時のお前は強かったな~」 「先輩は弱かった」 「神原が強過ぎんだよ」 「い~や、阿良々木先輩が弱過ぎるんだ」 「だってさ~、いかにチンケな低級悪魔といえど、相方があの神原駿河さんとくりゃあ、吸血鬼もどきの僕でも、そんな強力タッグを相手にしたんでは 苦戦するのも無理ねぇっつーか、負けても、まぁしゃーねぇかなあっと」 裸の元バスケ部女子はぷっとむくれて、レスリングするみたいに僕に掴み掛かってきた。 「なんだよそれ~、それじゃまるでわたしが悪魔以上の化物みたいじゃないか」 絡み付いてくる神原の手足を、やっとのことで振り解きながら僕は言った。 「だってお前は、うちの高校に入学するやいなや、たった一人でバスケ部を全国レベルの強豪に押し上げちまったほどの奴だぜ、 僕なんかから見れば、じゅうぶん化物だよ」 僕と組んず解れつしながら、神原も息を弾ませて言い返す。 「先輩がヘタレなだけだ」 どさくさにまぎれて、引き締まったお尻や形の良いおっぱいを思いっきり鷲掴みにしながら、僕も言い返した。 「そのヘタレの二号さんになりたいって言うお前はなんなんだよ」 ショートカットの髪の毛を揺らしながら、スポーツ少女は言った。 「…恋する乙女だ!」 ……ちょっと萌えた。 弾んでいたふたりの呼吸が、いったん静まる。 「 阿良々木先輩、わたしを抱いてほしい」 僕は神原の胸に手を伸ばし、両手の手のひらで包み込むようにして、ふたつの美乳を揉んだ。 「…いいよ、ふたりで爽やかな汗をかこう」 神原がうなづいた。 …いいだろう、僕も男だ。この勝負、じゃなかったこのセックス、受けて立とうじゃないか。 あの戦いでは終始、防戦一方だった僕だが、今度は違う。攻める側に回ってやる。男らしく攻めて攻めて攻めまくってやる。 しかし、見た目がいかに可憐で魅力的な女の子とはいえ、相手はあの神原だ。 あっちはモロ体育会系、そんでもってこっちは入学してからというもの、ずーっと帰宅部。真っ正面からとっ組み合ったんじゃあ勝負にならない。 とりあえず、こいつの桁違いの体力と持久力、こいつを少しでも前もって削いでおかないと、僕に勝ち目はないだろう。 …っていうか、勝ってどうするんだ、僕? そんな意味不明なことをつらつら考えながら、 目の前のお椀型のおっぱいを、 この前のリベンジとばかりに、愛撫というにはいささか荒々しく揉みまくる いじましくもスケベな僕だった。 「もみもみもみ…」 スポーツ少女のスレンダー体形とよくバランスの取れた見事な紡錘形の隆起は、ぴんと張っていて揉み応えがあった。 「ふあぁ…」 甘い吐息と喘ぎを漏らしながら、 ショートカットの髪の毛が乱れて揺れる。 親指と残りの指とで挟み込むようにすると、ピンクの乳首がひしゃげて、縦に長い楕円形になる。 神原の目の焦点がふっと合わなくなったと思うと、彼女の顔からいつもの凛々しさが消えてゆき、だんだんと呆けた表情になってゆく。 「あ… ふん…」 僕は神原のおっぱいから手をずらすと、そのまま彼女の身体をまんべんなく撫でさすっていった。 「ん… 阿良々木先輩…」 細いながらも逞しいとも言える身体が、快楽によってくねるように動き、美しく官能的なラインを描く。 僕の指が肉壷にもぐり込むと、スレンダーボディを弓なりに仰け反らせ、長い脚を突っ張らさせながら、神原は喘いだ。 とりあえずここまで 神原駿河ちゃんに競泳水着を着せてみたよ』03へ
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「知っておるかお前様よ、高速道路で自動車の窓から手を出すと胸を揉んでる感覚らしいぞ」 「聞いたことあるけど本当なのか、それ?」 「時速80キロくらいであのツンデレ娘くらいらしいの」 「じゃあ羽川は120キロくらいか?」 「かつての儂もそのくらいかの」 「今のお前は……」 「…………」 「自転車で充分だな」 「よし、ちょっとおもてに出ようか我があるじ様よ」 戻る
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1 本の一番後ろの、本編に反映させ忘れたあおり文を実現させるような、冬休みの話をしよう。 すべては、月火がくだけた髪留めを偶然ひろってしまったことからはじまっていた。 偶然以外の何者でもない。くだかれた玄関。散らばっている破片。そこに、月火の髪留めがのこっていただけ。 『アンリミテッド・ルールブック』が破壊しそこねた、月火の髪留め。実際にはその欠片。 不幸なことは、僕より先に月火がそれをみつけてしまったことだ。回避する手段は無数にあり、愚かな僕はそれに気がつかず、見過ごしてしまったのだ。 まず、月火は自分の目を疑ったんではないかと思う。なぜならその髪留めは血と脳漿でべったりとよごれていたのだから。 考え方こそ子供だが、頭の回転は波の大人よりも数段速い月火はすぐに回答をみつけてしまった。 僕が月火の体質について、気がついたように。 月火は自分の体質について、気がついてしまった。 痕跡から鑑みるに、月火は洗面所で指を一本きりおとした。 小指が洗面台の上にころがっていたが、止血した様子はなかった。 次は胸をさしたのだと思う。血で汚れた千枚どおしがリビングにころがっていた。 止血なんて、できるわけがない。転々と続く血液の滴がわずか三歩ほどの距離でなくなっていた。 胸の傷を三歩で完治できるほど人間の治癒能力は高くない。 最後に二階から飛び降りたのだと思う。 月火と火憐の部屋の真下の地面には、血のあとがべったりとはりついていた。 指を切り落とし、胸をつらぬき、身をなげてもなお、死なない。 そんな月火の心情と無茶をついぞ知らず、僕は自室で勉強をしていた。要するに密室だ。そのとき月火がどんな状況でいたのかを、僕は知りようがなかった。 部屋の外の出来事を知ったのは、部屋の扉を蹴やぶった火憐が青ざめながらこういったからだ。 「月火ちゃんが・・・・・・帰ってこない」 時計は二十時を回っていた。 5W1H。いつも一緒にいるはずの火憐の焦りように、僕はこういって火憐を落ち着かせた。 「や、いまどきの中学生はこのぐらいの時間、普通なんだろ? いちいち気にしてたらきりがないし、そもそも僕はおまえたちが大嫌いだ。この時期の受験生をなめんなよ? ストレスで火憐ちゃんを押したおしたところで、なんの不思議もない。だから落ち着け。受験生のじゃまをするな――」 結果、火憐は落ち着かなかった。泣きだしやがった。 月火の失踪について、火憐はまったく心当たりがなかった。 以前、火憐が貝木に立ち向かおうと家を抜け出したときは、抜け出した先こそわからなかったものの、目的と目標だけは僕も月火も理解していたのに。 仕方なしになにか手がかりはないかと、家中をさがして、自分の考えがつくづくあまかったと思いしらされた。 痕跡はなによりも真実を物語っていた。僕はそこではじめて、月火ちゃんがどうしていなくなったのか理解した。 火憐が月火の目的と目標に気がつかなくても仕方ない。 火憐は、月火の怪異を知らない。しでのとりにまつわる、月火の体質を知らない。だから、しでのとりとしての月火の行動をまったく予測できなかったのだ。 怪異の行動を予測するには――火憐は怪異をしらなすぎる。 青い炎、いつまでいつまでも、燃え続けることができる、青い炎と化した阿良々木月火は、正義を実行しはじめた。 すくなくともその月火の炎は地元の暴走族を崩壊せしめ、学校という学校の不良をすべて駆逐し、ヤクザの事務所をたたきつぶした。 バイクで曳かれても死なない。 ナイフでさされても死なない。 拳銃で撃たれても死なない。 不死性にとんでもないレベルの回復力に身をまかせ、自分の体を防弾チョッキと防刃ジャケットがわりにしながら、鉄パイプと出刃包丁で悪党を一人一人戦闘不能にしていったのだ。 島流しにあった罪人に焼き印を入れたように『悪党』の尻に歯磨きを突き入れながら、彼女の正義は執行されつづけた。 僕と火憐が月火に追いついたのは地元の駅だ。心理的トラップにひっかかり、僕と火憐は月火がいるホームとは、逆側のホームで月火と対峙することになった。 乱れにみだれた、月火の着物。血と土によごれた異様な様相。長く垂れた帯をまきなおそうともせず、白い両手で端と端をにぎりしめ、肌を上気させ、なましろい肩を月明かりに露出させ、乱れた裾から細い足をなまめかしくのぞかせながら阿良々木月火は、 ふたりめの妹は、世界の終わりを宣言する。 「こんな偽物だらけの世界は滅んじゃっていいと思うんだよね、お兄ちゃん」 偽物っていうのは、おまえのことか? それともおまえから見た、僕たちのことか? 世界っていうのは、おまえのことか? それともおまえから見た、僕たちのことか? プラットホームを照らす電灯は暗く、月火の表情はうかがいしれない。 白い肌がうかぶだけ。 不安げで、不在げで、吹けばなくなってしまう、希薄な存在。 しでのとり。阿良々木月火。フェニックス。 呆然とする僕と火憐をよそに、のぼりの最終電車が駅にするすると進入し、阿良々木月火をさらっていった。 電車のテイルランプが見えなくなり、火憐が力つきたようにプラットホームにすわりこみ、言った。 「あんな格好で電車乗ったら、次の駅でおろされちゃうよ、月火ちゃん……」 「おそろしく同感だけど、ほかになにか言うことないのか、お前」 おっきいほうの妹の頭を思い切りぶんなぐった。 そして月火の怪異に引きつられるように。 蟹が思い出したように復活し――、 雨の悪魔は再び宿り――、 呪いの蛇は穴から這いだし――、 猫は再び暗躍し――。 考えうるかぎり、最悪のクライシスは、まだまだ始まりに過ぎなかった――。 というのが、この話の前日談にあたる話。 受験生の大切な時間をなんと三日も消費させた、月火ちゃん家出事件は、まあなんとか解決した。 すべて元通りとはいかなかったものの、僕は月火と火憐と、新たな兄妹の絆を結びあの事件は終了した。 身内の恥をわざわざさらすような真似をしたりはしない――。 この話はここでおしまいだ。 そのかわりに変わってしまった兄妹の話をはじめよう。 2 「そろそろ火憐ちゃんが帰ってくる時間かな――はじめるか?」 カーテンを閉め切った自室のベッドで、僕は僕の胸板をまくらにしている月火にいった。夕焼けの木漏れ日がカーテンの隙間から漏れているので、明度はさほど心配ない。 まあ人ならぬ僕にとっては、明度など、さほどの心配もいらない。 月火が小さくうめいた。 「ん、あ……? せっかく寝てたのに……起こさないでよ……」 顔をあげようともせず答える月火。 いつも僕をたたき起こしにくる妹の言うことではない。 「いくらなんでも男の胸の上で全裸で寝るな」 「男っていうか、お兄ちゃんだけどね……」 本当に眠っていたらしい月火はいつもよりほんの少し鈍い反応で、たれ目を僕に向ける。 「ん、と……もうちょっと、このままでいいかも。いいよね?」 「いいけどさ。僕まだ勉強のノルマが終わってないから、前みたいに三人で夜通しとか無理だからな」 「わかってるよ。それくらいがまんするってば。いつまでも子供あつかいしないでよ……プラチナむかつく」 いいながら月火ちゃんがほおを僕の鎖骨のあたりにすりつける。マシュマロを肌にすりつけたようにやわらかい頬が鎖骨の上をなぞる。 目をつむりながら繰り返すそのしぐさは猫をおもいださせる。自分のにおいをマーキングするかのように、月火は飽きもせず、僕にそのやわらかなほおを押しつけ続けた。 「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……」 「おお」 こんなときしか出さない声音で、僕を呼ぶ月火におもわずおののいた。 やべえ、かわいい。デレた月火ちゃんは、いつぞやの火憐に匹敵するほどかわいいのだ。 ぷっくりとした唇、愛らしいほお、整えられた眉、形のいい耳、すっきりした鼻梁。 思わず抱きしめて守ってあげたくなる。 そんな保護欲をそそる幼さこそ月火の魅力なのだ。 ワンレングスの髪のすきまから白いうなじが見える。 そのさらに向こうには、肩甲骨と背骨がお尻のほうにのびている。お尻の片側にはさきほどから僕の手が乗っていて、指はやわいお尻に埋まっていた。筋肉のつきかたが違うせいか、火憐とはまた違う弾力がある。ふにふにだ。 「お兄ちゃん……おしり好きでしょ」 ささやくように月火が言う。 否定はできない。いや、ともかくさわり心地がいいからさ。 ちなみに僕と月火はいま全裸で重なりあっていた。 僕のいきり立った局部は月火のそこを貫いている。 月火をうしろから視姦したならば、まだ幼く男をまだよくしらない未熟な、サーモンピンクなそこに僕の局部が埋まっている様を見て取ることができるだろう。 久々に火憐なしのデート(本人は神原先生とデートなのでべつに後ろめたい気持ちにはならなかった)をきめこんだ僕と月火は、もはやいつもどおり、といった気軽さで情事をはじめた。 シャワーをあびて。 僕の部屋のベッドにはいって。 全裸にむいた月火の膣に、僕の息子をさしこんでからすでに一時間くらいは経過している。 いつしか緩めのエッチが暗黙の了解になり、一度などマッサージのやりあいで終わってしまったことがあったくらいだ。まあ、最近は慣れてきたようで、激しくしても気絶はしなくなったけど。 そもそも月火と火憐と戦場ヶ原と羽川いわく、僕の息子が大きすぎるらしい。以前「縦横にうま○棒三本分」とか例えられたが、いやいやそんなことはない。月火が小さいから、相対的に大きく見えているだけだ。なんだそのバンカーバスター。 人間の持ち物じゃねえよ。 まあ、僕の局部の話はともかく。 髪の毛を揺らしながら月火が上目づかいでこちらを見る。瞳は淫らな光を宿してぬれていた。幼さとのギャップがまたそそる。おねむタイムはおわりをつげたらしい。 「あ、またなにかやらしいこと考えてる……」 唇をとがらせながら月火は細い指先が僕の胸をつっ、となぞる。 挑発するようなことを……。 ぞふぞふとうごめく月火の膣道に、頭のどこかがとろけていく。 月火といっしょにどろどろにとろけたい。 理性はあぶられてどろどろになるものなのだ。 戦場ヶ原の中も名器なのかもしれないが、やっぱり相性というものはあるみたいだ。月火の中は抜群に気持ちいい。人肌に暖め、よくぬめりを持たせたこんにゃくに局部をはさまれるような……そんな感覚がこの一時間、たえず僕にもたらされている。 ちなみに相性としては火憐と月火がベスト1と2を争っている。 神原が3位にはいって、残念ながら戦場ヶ原は4位で……。 いつか痛い目を見そうだ、僕。 長らく待ちぼうけを食らった僕は、身じろぎをする月火に刺激されて、おもわず彼女の名前を呼んでしまった。 「っ……月火ちゃん……」 月火の喘ぎ声が聞きたい。月火の気持ちよさそうな顔が見たい。 そう思うと息子がぴくりと反応した。もちろん、それは月火にも伝わる。なにせ、感覚があいまいになるくらいぴったりとつながっているのだから。 「んっ……あれ、もしかしてお兄ちゃん――」 からかうような視線を向ける月火。 ああ、やっぱりばれちゃったか。でもこれで月火とすんぐほぐれつ、快楽にひたることができるというものだ。察しのよい妹でよか―― 「わたしの膣で、おしっこしたくなったの?」 「そんな特殊な趣味があってたまるか!」 ドン引いた。 やっぱり僕の妹たちはとっさの発想に問題がありすぎる! 妹の膣の中で尿を出したいという欲求は、すくなくとも僕の中にはない! どんな変態さんだ。 とっさにそんな考えにいたる月火が心配でならない。いったい日本の情操教育はどうなっているのだろう? 月火が首をかしげる。 「ん? でも勃起しているときっておしっこでも気持ちいいんじゃないの?」 「逆に出にくくて仕方ないけどね……。どこからもってきた知識だよ」 「それにほら、中だしのときの快感の、さらにさきに行けるかもしれないし?」 「絶対に片道切符だよなそれ! 実の兄をどんな目でみてやがる!」 そんな変態行為をやったらもう帰ってこれないよ、どっちも。 そうだね~と適当な相づちを打ちながら、月火がぺろりと舌をだして僕の胸をなめる。 その際ずるり、と月火の体がずれて、僕の男根をしげきした。 「うっ……」 しびれる感覚が先端から背骨の方につたわり、思わず声をあげてしまった。 膣のなかでうごめいたのを感じたのだろう。月火がいたずらっぽく笑った。 「またお兄ちゃんのぴくってなったよね……。エッチだなぁ」 「このドS妹が……」 憎々しげににらんでいるのに、月火はどこ吹く風といった感じで僕にほほえむ。 いつものように楽しい会話。ちょっとエッチな方向に向かう会話も、こういうベッドシーンでは本当に楽しい。 シャンプーの香りがする髪を撫でながら、もうひとつの手で背中をさすってみる。おもわず浮きでた背骨を、指で上から下になぞった。 「いまどうして背骨をなぞっ――ひぃあぁ!」 反射的に体をおこした月火ちゃんが、いきなりぶるりとふるえる。おなかをへこませ、背を矢なりに反らせた。 「んん――! い、う……」 「うわ……」 膣道が根本から締まり、僕の男根を包み込んだ。そのまま射精までもっていかれてしまいそうな刺激をなんとか我慢する。 「は、あう……」 小刻みにふるえていた月火が息を弾ませながら言う。 ちょっと涙目だった。 「な、なにいまの……。ちょっとすれただけだったのに……」 「へえ、そんなに気持ち良かったのか。そういえば一時間も挿しっぱなしだったのは初めてだったっけ」 いつもは性感マッサージに近いし、挿入も行わないときがあるくらいだ。それにくらべれば、この一時間挿入しっぱなしという状況はチャレンジに近い。日本語で言えば、挑戦。 挑戦はどうやら成功だ。ちゃんと――気持ちよくなってくれているみたいだ。 「う、うん……。なにこれ、こんなに気持ち良くなるものなの?」 「最近のはやりっぽいしな。ポリネシアンセックス……スローセックスだっけ? はやるってことは効果もあるんだろ」 「お兄ちゃんが本気で動いたら、どうにかなっちゃいそうだよ……」 そういって月火は顔を赤らめる。 いや、そんなふうに照れられると、どうにかしちゃいそうなんですけど。 ともかくスローセックスのすすめ、だ。 腰を動かさず、挿入したままいちゃつくのがコツなんだそうだ。 さて、それはともかく、この強気な妹にして、困惑気味な表情というのはめずらしい。 僕の胴をまたぎ、ぺたんといった形ですわりこむ月火。 呼吸するたびに薄い(本人が聞いたら立腹もの)の胸が上下し、なめらかなお腹(幼児体型のせいだが、本人が聞いたら激昂もの)がふくらんで、また元に戻る。 それにしても扇状的で背徳的な光景だ。 一番身近かな――それこそおしめを取り替えたことだってある、身近な妹が僕の局部を飲み込んでいる。 たばこの毒を例に出すまでもなく、背徳はいわゆる麻薬なのだ。 視姦を続ける。 小振りな乳房にのっかる小さい桜色の頂点を凝視する。 乳房がめだたないものだから、乳首のかわいらしい勃起が逆にめだつ。 きれいな桜色。まだ僕しか触れたことのない、けがれのない、そこ。赤ちゃんの爪の先ってあるだろ? あんな色だ。汚れていない。無垢な。 「月火ちゃんってさ」 「んぅ?」 余韻に浸っていた月火が目だけをこっちにむける。 「将来美乳になりそうだよね」 月火の乳房に手をそえた。 しっとりと濡れた肌が、手のひらに吸いつくようだった。 「ひゃ……う、んっ」 月火が体をすくませる。こうなる以前に触った時には、考えられなかった反応だ。 女の反応といったかんじ。 見た目では洗濯板のようでも、ふれてみると乳房が膨らみはじめているのがわかる。明らかに男の胸板とは違う脂肪を感じる。 人差し指と中指の間に乳首をはさんでほぐすように指を動かす。 「あっ、やらぁ……、はぅ……」 刺激をあたえるたびに、小さく悲鳴を上げる月火。その膣もつられるようにうごいて、僕を責め立てる。 先端を撫でるように、 鈴口をこそぐように、 根本をつつむように、 刺激してくる。誘ってくる。 ああ、やっぱり月火が一番かも。 げんきんなお兄ちゃんである。 「感度いいよなぁ……。いつもながら」 すこしばかり乱暴に、親指の腹をぐりぐり乳房におしつけた。親指にだけ乳首のしこりの感覚がつたわる。 「あ、ひっぁ……」 「おりゃ、十六連打!」 「ひゃあああああああああ!」 「必殺、名古屋打ち!」 「ぎゃああああああああああ!」 なんて、男女のまぐわいをしているにしては、色気もへったくれもない愛撫だった。 案外楽しい。 ひとしきり月火の胸で遊んだ。 月火は肩を上下させる。首筋から一筋、汗が流れて、鎖骨に落ち、最後に僕のへそのあたりに落ちる。その汗もすぐに僕の汗にとろけて見えなくなった。 「はぁ、はぁ、はぁ……。も、おっ! お兄ちゃん、妹のおっぱいさわりすぎ……」 「前と同じ台詞なのに、すごくやらしく聞こえるのは僕だけか!?」 それとも前と違って、ちょっぴり恥ずかしそうに言っているから違うのだろうか。それとも熱い吐息をはきつけて、うすい肩を揺らしているからだろうか。 挑発するじゃねえか、阿良々木月火。 「月火ちゃん。足、こっちむけて」 僕は上体を起こして、月火と向かいあう。 座高の関係上、今度は僕が月火をわずかに見上げる格好になる。 だが、月火の全体重が僕の太股にのっかったおかげで、月火のさらに深いところに男根がはまったのを感じた。先端が何かを押し上げている。 「うう……お兄ちゃん……深い……」 「痛いか?」 月火は首を横にふるう。 「お兄ちゃんはどう? 気持ちいい?」 「気持ち悪いわけないだろう! 最高だぜ月火ちゃん! 月火ちゃんのなかを気持ち悪いなどと言う男を、僕は男だと断じて認めない! そんなやつは人類としてなにか大切なものを持って生まれなかったに違いねえ! そいつの局部はなにか大切なものを失っている! 皮さえむけていないに違いない! いっそ全人類にこの感触を味わってもらいたい気分だ!」 「え、あ、そう……」 これを気持ちよくない、などと言えるものか。 だが勢いよく言いすぎただろうか。月火が若干引いている。 おもいのたけをしゃべりすぎたか。 あとで反省会だ。 月火は深いため息をはいたあと、 「もう、わかったから……はずかしいなぁ、もう」 そんなことをいいながら、月火の腕が僕の首にまわった。 ひっついた胸と胸。相手の心音やらを感じる前に、月火はそのまま僕の耳元にくちびるを寄せて、 「全人類に、とか。プラチナむかつく」 とつぶやいて、 「お兄ちゃん以外には絶対に抱かれないもん」 と続けた。 はずかしいのは言われた僕のほうだ。 耳に吐息があたり、つぶやきが鼓膜をふるわせ、脳に一番近い外部器官であるところの、耳の奥をそぞろかす。 頭の内側をなめられるような感覚は、理性が機能するより前に、僕の思考を真っ白にぬりつくした。 妹との情事が禁忌であることも、罪であることも、わかっている。 そして罪であることを心のそこから認識している。 はじめて月火を抱いたとき、火憐をはじめて抱いたときと同じような罪の意識を感じたのは、阿良々木姉妹と阿良々木暦にとって歓迎すべきことなのだ。 禁忌であることを確かめるために、僕は二人の妹を抱く――。 どちらにしろ、そんなバックグラウンドはいまこのときには、まったく関係がない。 ただふつうに月火とこうしているだけでは、ただの犯罪者になってしまう。僕にもこうしなければならなかった理由というのが存在するのを、なんとかわかってほしかったのだ。 ともかく―― さて、人間の証明たる理性がとろけた人間は、もうケダモノでしかないのかもしれない。本能の命じるままに、僕は月火ちゃんに襲いかかった。 「つ、月火ちゃん!」 つながったまま、僕は月火ちゃんをベッドに押したおした。 スプリングが音を立ててきしんだ。シーツに月火の体が沈み。すこしだけバウンドする。 「あっ」 ほんの少し体をよろける月火の体を押さえつけ、抵抗できないようにしたあと、目をまるくした月火の唇を奪ってやる。 「んっ、ぬう――!」 そのまま舌を入れ込み、口の内側を蹂躙する。 唾液を絡めて、舌を絡めていると、月火も僕の舌に舌を絡めてきた。ざらりとした感触が舌先につたわり、みだらな音が口内でなりはじめる。 くちゅ、くちゅ、じゅる、じゅる。 口の中を犯され、犯される。陵辱され、陵辱される。 月火の口の中は甘かった。唾液のすべてをなめ尽くしたい衝動にかられ、うち頬から舌の下まで味わい尽くす。 「んちゅ、ちゅ、ん、ちゅ……お兄ちゃん……」 しばらく月火の口を味わった。唇をはなすと、月火と僕の間に唾液の橋がかかってすぐにおちた。 すこしだけ理性を取り戻した僕は、股間のうずきをおさえながら、いままで見えなかった結合部をみた。濡れ具合というか――月火の状態を確かめたかったのだ。 大きく開いた脚のまんなかに、僕の男根がうまっている。 まだはえそろっていない恥毛は愛液でびしょびしょでべとべとによごれ、流れ出したそれは、月火の内股をも濡らしていた。 大丈夫そうだ。 僕は月火のうすい腰を両手でがっしりとつかんだ。 月火が大きく体をふるわせる。 「あ、やだ……ちょっ」 あわてて体を起こそうとする月火をよそに、僕は腰を大きくひいた。いままで入りっぱなしだった局部をひきだす。 小柄な体のなかは、暖かくて、それでいて柔らかだった。細かいヒダが、先端から根本までをくすぐり、締め付けてくる。膣道からでてくるまで、一瞬の隙もなく、月火は僕をせめたてつづける。 「あっ、いやゃ……! お兄ちゃん、急すぎ! あっ!」 「う、う、う、う……」 先端が持ち上がるのを我慢できない。油断すればそのまま吐き出してしまうほど、月火のそこは気持ちよかった。 悲鳴をあげた月火は、その顔は恐怖と歓喜をないまぜにしたような、複雑な表情をしていた。 期待と恐怖、かもしれない。 いま挿し入れたらどうなるんだろう? どことなくうしろぐらい思いが胸のなかにくすぶった。 腰を前に進めようとすると月火は反射的に身をよじって逃げようとしたが、単純な力くらべなら僕のほうに分がある。両手に体重をかけて月火の腰をベッドにおしつけ逃げられないようにしたあと、改めて腰をうちつけた。 先端が肉壁をわって奥へおくへと侵入していった。 「いやっ……いやぁぁぁ!」 小さい子供がいやいやをするように、月火は目をつむって首をそらした。 ふたたび暖かく、うねうねとうごめく月火の中に男根をうめた。ぞろりと表面をなぞりあげる。そして間髪入れずに抜く――。 なにかに急かされるように僕はそれを繰り返した。 ぎしぎしときしむベッドと出し入れするたびに響く水音が聞こえないほどに夢中に、それを繰り返した。 「やっ、あっ、あっ、ああっ、やぁ! また――」 動くたびに月火の悲鳴が、トーンをあげていく。 「また――! やあっ! さっきイったばっかりなのにっ!」 言っている間に、月火はベッドから浮き上がるほど、体をそらせる。 「――! ――! ――!」 眼尻に涙をため声にならない悲鳴をあげる月火を――僕は無視した。吸血鬼よりも、鬼。甘んじて受けよう、その雑言! 達したばかりで敏感な月火をさらに責め立てるため、僕は腰のストロークを大きくした。 「い、やああああ! あっ、あっ、やぁ! やだっ! いったばっかりだから! やさしく――!」 「それは無理だよ。月火ちゃん」 「はへ――!」 「月火ちゃんのアヘ顔みてると、腰がまったくとまらねえ!」 「あっ、やっ、あっ! あ、アへ顔なんてしていない! 変態がいるぅ! 家族を性的に虐待して――ひゃあっ!」 「まったく説得力ないぜ。口から涎たらしながら、あえぎ声をあげつつ、目尻に涙なんて顔、アヘ顔以外のなんだっていうんだ?」 腰のうごきはいっさいゆるめず、僕は月火のほおにキスをする。 まさか、そのキスで達したわけではないだろうが、月火は再び体をびくんんびくんと痙攣させた。 征服感とでもいおうか。 いつも生意気ばかり言ってくる妹を屈服させる快感というか、なんというか。 汗みずくになっている月火の耳元でつぶやく。 「さて、そろそろ本気でいくぜ、月火ちゃん」 月火がびくりと体をふるわせた。さきほどまでの、絶頂でからだをこわばらせたのとは明らかにちがう。 「や、やらっ……」 もう呂律すら回っていない。僕は宣言どおり本気を実行するべく、月火の両足を自分の肩の上にのっけた。 先端がさっきとは違い場所に当たる。そこを男根の先ですり上げたとたん、月火が鳴き声をだした。 「うぐっ――! そこ、だめえっ! だめだよぉ――!」 月火が弱点をつかれて暴れはじめる。 といっても脚は固定されているし、腰は押さえつけている。月火の腕が忌みもなく宙をかいて、最後に自分が横たわるシーツを握りしめて止まった。 月火の一番感じる性感帯、実はそこが一番挿入している僕にとって気持ちのいい場所だったりする。 ものごとは小説のようにうまくはいかないのだ。 ペースが違う以上、同時に達するなんてのは夢のまた夢なのだ。 開き直って月火の弱点におもいきり男根をたたきつける。 「やっ、やっ、あっ、あっ、やあ! プラチナむかひゅ、くっ!!? ひっ、ぎゃあ……」 「月火ちゃん、月火ちゃん、月火ちゃん!」 意味もなく名前を連呼しながら、僕はさらに月火ちゃんを責めたてる。結合部は月火ちゃんから流れでる愛液でとんでもないことになっていた。 ぐちゅぐちゅでぬちゅぬちゅだった。 出し入れするたびに愛液の飛沫が僕の内股にまでふりかかる。 「んっ、んっ、やっ、やっ、やぁっ! お兄ちゃん、はやっ、すぎ、だよっ! あっ、あっ、いやぁ!」 月火の嬌声すら、腰の動きを加速させる材料でしかない。もっと深く、もっと早く。 先端を膣壁にくすぐられ、あっという間に昂ってしまった。 「うううっ! 月火ちゃん、そろそろいくよ」 「……! まって! いま奥にだされたら、またいっちゃうよぉ――! やっ、ああっ、ああっ!」 「大丈夫だよ。外でいいふらしたりはしないから。家族には恥ずかしいところを見せようぜ!」 「いやぁ――!」 制御はとっくに利かなくなっている。挿入している途中なのか、抜いている途中なのかわからなくなるほどに、僕は夢中で腰をうごかしていた。 「はあぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁ――」 「いやぁ! やらっ! あっ、あっ、やぁ!」 わずかに残った吸血鬼スキルを存分につかい、とても常人では耐えられないほどの運動量で月火を責め立てる。 責め立てられる月火は、唇の端から涎をながし、大粒の涙をながし、汗で体中がぬるぬるになっていたりと大変なことになっているが、ほおはゆるみっぱなしだ。悦顔だ。 「はぁっ! やっ、やぁっ! んっ! んっ! んっっ! あああああっ!」 腰をつきこむたびに、月火がはねる。 刺激されつづける先端が僕の意志とは関係なく跳ねあがる。 ちなみ月火は穏やかなのが大好きだが次に好きなのは中だしだ。精液が子宮口をたたくのが、ものすごく心地いいらしい。 「よし、いま中に出してあげるからね、月火ちゃん――」 「んっ、んっ、んっ、うん! 今日は大丈夫だから――お兄ちゃんが欲しいの――!」 艶っぽい笑顔で悦びながら、月火は脚で僕の体をロックした。 そこで我慢が利かなくなった。 先端から勢いよく――精液が飛び出していった。 どくんっ、どくんっ、どくん 「月火ちゃん――!」 「ひゃあああああああああ!」 喜鳴をあげながら精液を受け止め続ける月火を抱きしめる。あらんかぎりに奥まで突きこみ、さらにそこから射精した。勢いよく飛びでたアレが月火の奥にぶちまけられていくのを感じる。 膣道が絞るように収縮した。尿道まで絞られる。最後の最後まで、月火は僕を責め立てる――。 どくん、どくん、どくん 「ん、ぐぅ……で、てる!」 子宮で何億におよぶ精子を受け止める心地よさに、月火はまた子宮と全身をふるわせた。宙にういていた足が勢いよくのびる。 中だしが癖になったらどうするんだ、まったく。 たっぷりと子宮に精子をふりかけ、心地よい倦怠感をあじわいながら、そのまま月火ちゃんをだきしめる。 汗みずくの体と体をぴったりとあわせて、阿良々木月火の鼓動を全身で感じる。 人間より高めの体温をやどし、激しい呼吸を隠そうともしない。 それはまごうことなく人間の、女性のそれで、フェニックスのそれではない。 阿良々木月火。阿良々木家の次女にして、青い炎、ファイヤーシスターズの参謀は。 たしかに僕の妹だった。 「あつい……お兄ちゃんの……」 時間にして三分くらいだろうか。 出すモノをはきだした男根がすこしずつ小さくなっていく。 どくん、どくん、どくん…… 「あっ、あっ……な、がいよぉ……。おなかいっぱい……まだびくびく……」 「たまってたからな」 尿道に一滴も残っていない。射精しつくしたけだるい快感にめまいがした。 「ありがと月火ちゃん。気持ちよかった」 「はぁ……はぁ……はぁ……。お兄ちゃん妹の膣で出しすぎ……」 軽口を叩くくらいの余裕が戻ってきた月火をねぎらうように頭をなでる。唇で首筋の汗をぬぐってやる。 月火がよわよわしく、抱きしめ返してきた。 「よく頑張ったね、月火ちゃん」 「はぁ、はぁ、はぁ……やっぱり不公平だとおもう。お兄ちゃんぜんぜん余裕だもん」 「女の快楽って男の十倍っていうからな」 「はぁ……でも、いつか絶対にお兄ちゃんを――してやるからね……」 「はは、――の中身がなんにせよ、まだまだおまえらにイニシアチブを握られたりしねーよ」 「なにそれ……。そのうち痛い目にあうからね、そんなこと言ってると」 上半身を浮かして月火の顔をみる。ほほをわずかにふくらませながら、でもどうしようもなく悦(しあわせ)せそうな顔をしたちっちゃいほうの妹の顔がある。 「月火ちゃん……」 「お兄ちゃん……」 桜色の唇に唇をあわせたあと、僕はゆっくりと月火から男根を引き抜いた。 結合していた部位から、さっきはきだしたばかりの精子が月火のお尻にほうに落ちていった。 おむらしこそしなかったものの汗みずくになったシーツはとりかえなくてはいけないだろう。だが、いますぐ行動する気にはとてもなれず、月火のとなりに寝ころんだ。 僕の体も汗まみれだ。いやがらないだろうか、と頭の片隅で思いながら、黙って月火を抱き寄せる。月火はだまってそれにしたがい、僕の胸に頭をおいてつぶやいた。 「ずっと、お兄ちゃんでいてね、お兄ちゃん」 その台詞に対して、僕がいえることはたった一つだ。 「もちろん。月火ちゃんが嫁にいこうと、なんだろうと、僕は阿良々木月火のお兄ちゃんだ」 この先なにがあっても、阿良々木暦を肯定する要素として、当然の用に阿良々木月火の存在はかき消えたり、しない。 僕はそっと月火ちゃんに顔を近づけて、 月火は普段のたれ目をまあるくして、 僕はそっと舌を外におしだして、 ――眼球を舐めた。 「月火ちゃんになにをしてんだ!」 艶消しな――甘い空気をぶっ飛ばす暴力が僕の後頭部をおそったのは、つるりとした眼球の感触を舌先で味わった瞬間だった。月火の涙の味を味わう間もなくぶっとばされた。 ぶっ飛ばされながら、視界のはしっこに、のっぽな影をとらえる。 阿良々木火憐。 おっきいほうの妹の登場だった――。 戻る
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「よろしければ名前、教えてくれませんか?」 「ああ、ぼくは今まで本名を――」 と。 そこまで言ってから何気なく、校舎の二階の窓から下界を見る。 そして発見してしまった。ここに居てはいけない人物を、こんなところでウロウロしていてはいけない人物を。 紫木一姫。 まさか、ぼくの事を心配してか? だとしたらどこまで…………どこまで。 「どうかしましたか?」 いつまでも視線を下界に向けたままのぼくを、不審に思ったのか子荻ちゃんも隣に並んで、窓の外を見ようとする。 まずい。 成り行きでこうして子荻ちゃんと一緒にいるが、正直ぼくはまだ、どっちをはたして裏切ろうか決めかねていた。 出来るならば、もう少し、あとちょっと、あとちょっとだけでいいから、曖昧に、いつもどおり曖昧に保留させて欲しい。 でもじゃあ、一体全体どうすれば。 頭が混乱する。混濁する。くるくると狂いそうになる。 だがこんなとき、自分でも予想外だったが、人間の身体とは無意識に………………無為式に。動いていた。 「子荻ちゃん…………」 「はい?」 一瞬だったと、思う。 ぼくは隣に並ぼうとした子荻ちゃんの肩に手を置くと、なんの警戒もなしにこちらに向けられる、桜色の唇に唇をそっと重ねた。 “チュッ” おそらくは、否、否否、こんなとびっきり偏執的と言ってもいい閉鎖された学園ではあるが、世間一般の建前上は超々の超お嬢様学校。 「…………はい?」 まず初めてだろう、他人との唇の接触に、《策師》萩原子荻は目をパチクリさせると、非常に間の抜けた返事を寄越した。 ぼくはそんな初心な反応を見せる子荻ちゃんを、頭をクラクラさせながら眺めつつ、目の端ではしっかりと窓の外を確認する。 姫ちゃんは、まだウロチョロしていやがった。 こちらは猛獣の尻尾を踏みつけるような心境で、ありもしない勇気をふりしぼってフォローしてやっているというのに。 でも、ま、このスリルが堪らないと感じる自分が確実に居たりする。さすがに救いようがない…………………………この欠陥製品は。 ならば、ならば、ならばどうせ欠けているのならば、子荻ちゃんに壊されるまでは、終わらせてもらえるまでは、フォローしてやるか。 「子荻ちゃん…………」 さっきよりもゆっくりと、肩に置いていた手を廻して抱くように引き寄せながら、ふたりの距離を、ふたりの唇の距離を詰めていく。 瞳に。子荻ちゃんの瞳に映っているのは、ぼくの(女装している)姿と戸惑いだった。そこに拒絶は…………今のところはない。 “チュッ” ふたりの唇がまた重なった。 一度目はこちらもなにがなんだか、必死すぎて感じる余裕などあるわけもなかったが、《策師》の唇は喩えられない柔らかさだった。 子荻ちゃんは目を大きく、はっきりと驚愕で見開いている。もちろん、それがわかるぼくも、目は開けていた。 でも理由は子荻ちゃんとは違う。胸はドキドキしているが、頭はひどく醒めてきていた。 どうやらこんなときでも、ぼくは目を閉じないらしい。 子荻ちゃんの意外なほどにほっそりとした身体を、長く綺麗な髪の毛を梳くようにしながら、巻き込むように抱き寄せて位置をずらす。 これで姫ちゃんの姿は、子荻ちゃんには確認出来ないはずだ。 「ン……む……ん―…………」 それでも保険は一つよりも二つ、二つよりも三つの方がいいだろう。 より密着度の増した唇。 真一文字に閉じられていたが、僅かではあるが子荻ちゃんが開いたのを見逃さず、ぼくは舌をスルリと差し込んだ。 我ながらこれは。ほんの少しだけ。久方ぶりに自分で自分を褒めるという、なんとも独り善がり、エゴ丸出しの行為をしたくなる。 不躾に口内へと侵入してきたぼくに、あの子荻ちゃんが怯えた様に逃げ回っていた。 しかしこの鬼ごっこは、当然だが結果は、《策師》足りえないぼくにでもわかる。狭い口内のどこに逃げようというのか。 「んむッ………ふぅ……んンッ……んぅ…………」 それはぼくを愉しませるだけで。子荻ちゃんの舌はくねり・絡み取られ・嬲られて、好き放題に戯言遣いに蹂躙されるだけだった。 さらに唇を覆い被せるように顔を傾けて、唾液を流し込んでみたりもする。 「んぅッ!?………むぅッ、むぁッ……んンッ!?………………ううッ……むぅ………んッ………んン…………」 後頭部はガッチリ押さえて逃げられない様にしているので、子荻ちゃんにはどんなに厭でも、回避する策戦などあるわけがない。 観念した様に喉がこくりこくりと小さく鳴り、唾液を嚥下しているのが、唇を触れ合わせたままのぼくには振動でわかった。 悔しそうに顔を顰めながら、いつの間にか背中に廻された手が、ぼくの制服をギュッと掴んでいるのが、なんとも言えず可愛らしい。 そしてそこに輪をかけて、この戯言遣いが可愛らしいと思った仕草は。 「…………あ!?」 遊ぶだけ遊び、愉しむだけ愉しんで、自分勝手に引き抜いたぼくの舌を、子荻ちゃんの舌が目一杯のばされて追い掛けてきた。 無論。子荻ちゃんはすぐに舌を引っ込めはしたが、ぼくから目を逸らすと、顔を耳まで一気にカァ――ッと赤くさせる。 可愛い。 じっとぼくがその顔を見つめると、目を合わせられないのか、あっちこっちキョトキョトと挙動っていた。 そのくせに、ぼくの方から視線を外すと、その切れ長の目は鋭く険しくなる。 可愛い。具体的には骨董アパートに持って帰りたいくらいに可愛い。制服の上からエプロンをつけて、手料理を作ってもらいたい。 「子荻ちゃん、ぼくは好き嫌いはないから」 「はい?」 小さく子供っぽく、子荻ちゃんは首を傾げる。 ま、いくら《策師》でも戯言じみた妄想までは読めまい。もっとも読んだら読んだで、その扱いにはたいそう困るだろうが。 しかし、とりあえずそれはそれとして。 「子荻ちゃん、動かないでね」 ぼくは身体を子荻ちゃんから、ほんの少しだけだが離す。そのまま身体を、ゆっくりと沈ませた。 両膝ついて中腰になる。 見上げると、見下ろす子荻ちゃんと目が合った。ただそこからは、なんらの威圧感も感じはしない。 睫毛こそふるふると震えてはいるものの、ぼくの言った事を守ってくれているのか、子荻ちゃんは微動だにしなかった。 ドキドキと喧しかったぼくの心臓の鼓動が、さらにヤバいスピードでペースアップする。 考えてみればこれだけ素直に、ぼくの言う事に従ってくれる女性は、うん、はじめてかもしれない。 なにしろ人類最強の請負人やあの島の占い師を、わざわざ例に挙げるまでもなく、ぼくの周囲にいる女性はクセの強い人ばかりだ。 その上に皆が皆、美人ぞろいなものだから始末が悪い。 ぼくもそんな人達に苛められるのは、決して嫌いと言うわけでは、むしろ好きだが、どんな御馳走も毎回では胃にもたれる。 それこそあの島の料理人の様に、メニューはバランス良く出して欲しい。 だからそんなわけで、子荻ちゃんの様に頭が切れるのに、ぼくに従順といった存在は、なんだかとてつもなく新鮮だった。 頭が切れる。ふっと浮かんだやつがいたが、あいつの場合はぼくに従順とか、そういった次元ではない。 と。 それはともかくとして、子荻ちゃんが言う事を聞いてくれるのというのであれば、言う事は、言いたい事は………………いっぱいある。 「じゃあ、子荻ちゃん………………スカート、捲ってくれないかなぁ」 ぼくはまた一つ、人間として大事なものを失った気がしたが、そんなものは気にしない。 元々欠けているものの方が、圧倒的に多い欠陥製品。今更そんなものを一つや二つ失くしても気にしない。 「はい?」 それがあまりにも、想定外だったからだろう。 子荻ちゃんはさっきからずっとこればっかりだが、咄嗟には言葉の意味が理解できなかった様だ。 「スカート、自分で捲って」 だから戯言遣いは珍しくも親切に、もう一度子荻ちゃんに言ってあげる。 そして三度目はいらない事は、《策師》の肌の色が教えてくれた。赤くなっていたのに、その上からまた羞恥の色を塗りたくる。 見ると子荻ちゃんの唇が、わなわなと震えていた。 いかん。お嬢様の持つハイエンド・クラスの矜持の高さを、ぼくは見誤ってしまったのかもしれない。 なにしろ子荻ちゃんの指先は、スカートの裾を白くなるくらいに、感情を抑え込もうとする様に、思いっきり握り締められている。 ここで終わりか。終わらせてもらえるか。あと少し。そんな未練がない事もないが。 本望――――かどうかはわからない。後悔――――はそれこそ後からするものだ。 子荻ちゃんの手で終わらせてもらえるなら。それは悪くない。まだ窓の外に姫ちゃんが、ウロチョロしているかどうか定かではないが。 戯言遣いに出来るのはここまで。 そこからは我らがヒーロー、哀川潤の活躍に期待しよう。次回作の赤い請負人シリーズにご期待くださいだ。 などと。ぼくが心の中で哀川さんにバトンを渡そうとしたとき。 スカートの裾を握ったまま、子荻ちゃんの手がそろそろと動きはじめた。 「…………子荻ちゃん」「………………………」 何も。《策師》は何も答えない。 顔を俯かせて、スカートを自分の手で捲る、そのハシタナイと言っていい行為に没頭していた。いや、逃避しているだけか? だが。子荻ちゃんの思いがどの辺にあったとしても。 そろそろと捲られるていくスカートは、そろそろ下着が覗ける地点に到着しそうだ。 しかしそこで。子荻ちゃんは手を止めると、ゆっくりと俯かせていた顔を上げてぼくを見る。 「…………見たいですか?」「ええ、物凄く見たいです」 ぼくには珍しく間髪入れずに、人間失格でも反応できないだろうスピードでもって、これも珍しく、素直な答えを返した。 「………………………」「………………………」 そしてしばし、沈黙が空間を支配してから。子荻ちゃんの手の動きが、意を決したように再開される。 チラッと。微かに白い布地が見えた。 一瞬、いや半瞬だけ、躊躇う様に手が止まったが、子荻ちゃんはギュッと目を瞑ると、迷いを振り払うように腰まで捲り上げる。 ぼくの目はその一点に奪われた。 白い。そこは何の変哲もなく、何の捻りもなく、ただ白いだけだ。なのにその白さから、ぼくは目が離せない。 これが例えばシャツの白さであれば、何ということもなかったろう。 でも少女の秘密を覆っているというだけで、この白さは代理の利かない、かけがいのない色になったのだ。 「……ふぅ」 ここまで考えてちょっと眩暈がしてきた。自分がまともではない自覚はあったが、このイカれっぶりはいっそ天晴れかもしれない。 「…………戯言だけどね」 いつも通りに思考を中断すると、ぼくは目の前にある白さと、仄かにする少女の匂いに誘われて、顔をゆっくりと子荻ちゃんの秘密へと 近づけた。 「ん…………」 ぼくの息が当たったからかもしれない。子荻ちゃんの身体が、鼻に掛かった呻きを洩らしてぴくりと動く。 それを合図にして。 “ぺちゃ……” 「んンッ!?」 ぼくは子荻ちゃんの、女子高生の若さに裏付けされた、張りのあるなめらかな内腿に舌を這わせた。 唾液のヌメ光る航跡を引きながら、丹念に丹念にフトモモを舐める。 すると。 「ううッ………くぅんッ…………んンッ………ん…………」 スカートの裾は健気に掴んだままで、子荻ちゃんはモジモジと、身体を振って逃げようとするが。もちろんの事そうはいかない。 ぼくは執拗に子荻ちゃんを追いかける。 こんなに自分から、率先してアクションを起こすのは久しぶりだ。 情に流されず状況に流される。それがぼくを現す言葉だったはずだが。うん、俄然萌えてきた。《策師》最高っ!! 叫びたい。 そしてそこまでこのぼくに、この戯言遣いに言わせた子荻ちゃんに、敬意を表す事にした。 窓枠に身体を寄り掛からせると、右足を掴んで軽く持ち上げる。 子荻ちゃんのちょっと不安そうな視線を、つむじの辺りにビシバシ感じるが、あえてそれは無視。 ブーツを脱がし、少し蒸れている靴下も脱がすと。 「あッ!?」 ぼくは小さく可愛らしい爪を生やした足の指を、何の迷いも躊躇いも見せずに口に含んだ。 一本一本を丁寧に、指の股の間まで舐めしゃぶる。 エラいスピードでもって、ぼくのモラルの井戸は枯れていこうとしているが、そんなものは上等だった。底に何があるのか見てみたい。 「ンッ、ンッ…………ふぅッ……はぁ……んぁッ…………んンッ………ぁッ…は……ああッ……あ……………」 子荻ちゃんも満更ではない様だし、このままこっち方面に突き進んでも問題はないだろう。 右足を一先ず置いて、左足を掴んだときなど、本人は気づいているのかいないのか、ぼくの手は添えてるだけで、子荻ちゃんは自主的に 足を上げていた。 こういう変態チックなアプローチは慣れたら怖い。クセになりそうなエクスタシーというやつだ。 指を舐めながら子荻ちゃんを盗み見ると、その瞳は妖しい光を放ち恍惚としている――――様にぼくには見える。 子荻ちゃんの背筋には今走っているんだろうか? 指を舐めるたびに、ぼくの背筋を走っているのと同じ、ぞくぞくしたものが。 「ふぅッ……んンッ……あ…うぅッ……んッ……はぁッ……ン……んふぁ…………あッ……んッ……んふ………はぁ……………」 下唇を噛んで声を殺そうとしているが、叶わず洩れてぼくの耳朶を打つ可愛い声。 その声に操られるように、ぼくの舌は指から離れると、ふくらはぎ、膝の裏、内腿を通って、足の付根、いよいよギリギリに達した。 少女の秘密を覆う、薄く頼りない布地。 そこから感じる熱と匂いは、さっきよりもあきらかに強い。 ぼくは大口を開けると、下着ごと、子荻ちゃんの秘密の部位にむしゃぶりついた。 「ふぁッ!?」 不意を突く。意表を突く。裏を斯く。ぼくはこんな事を生まれてからずっとしてきた。 でもこの学校に足を踏み入れてからは。《策師》萩原子荻に出会ってからは。どれもこれも、やりたい事をやられっ放しだった。 突発事項に助けられて突き飛ばしたりとか、口八丁で身の安全を図ったりはあったが、こんなに見事に子荻ちゃんにアンブッシュが 決まったのははじめてである。 子荻ちゃんは身体をくの字に折って、ぼくの頭を抱え込んだ。 結果。子荻ちゃんのもう一つ唇と、ぼくの唇は、そりゃあもう熱烈な接吻をする事になる。 少女に、それも子荻ちゃんの様な《美》少女にキスをされて引き剥がせるほど、ぼくは紳士では、自信満々絶対確実にありえない。 “むにゅ…………” 「んぅッ!?」 この常識外れの学校で鍛えられているだけあって、子荻ちゃんのお尻は引き締まっていたが、決して柔らかさを損なってはいなかった。 ぼくは両手でその柔らかいお尻を掴むと、ワイルドに子荻ちゃんの身体を引き寄せる。 デフォルトで常に二、三本切れている線が、今のぼくはなんだか、余裕で七、八本はイッちゃってる気がしてならない。 舌をのばすと腿にした様に、少女の秘密の裂け目、秘裂を上下に優しく、丹念に丁寧に根気良く舐める。 「ひッ!?………あ…あ……んぁッ………ふぁッ…………ぅんぁッ……………うぁあッ!!」 空っぽの空洞の癖に誇り満々――――似たもの同士。そんな風に《戯言遣い》と《策師》のふたりを評したのは哀川さんだが。 だからかもしれない。 ぼくの経験ゼロの拙い舌遣いにも、膝をガクガクさせながら艶やかな声を上げる子荻ちゃんは、ひどくちっぽけな自尊心をくすぐる。 ずるずると壁に身体を預け、力なく崩れ落ちていく子荻ちゃん。そのスカートに頭を突っ込んでいるぼく。 人には絶対に見られたくない姿だ。 そしてこんなときに限って、あの人は颯爽と、それもメチャクチャ格好よく現れたりするのだ。 ぼくは目だけで右を見る。よしっ。いない。左を―――― 「にゃぎ~~~~~~~~~!?」 向こうとしたが、その前に動物チックな変な声と、ドタドタと慌てて去っていく足音が聞こえる。 ネコ?………………じゃないよなぁ。 だがとりあえずは、哀川さんも未確認生物も誰も居ないのを確認して、ぼくは子荻ちゃんの腰の両端、下着の細くなっている部分に おもむろに手を掛けた。 頭をスカートから抜き取り顔を上げると。もう肩を緩やかに上下させ、はぁはぁと呼吸を整える子荻ちゃんと目が合う。 ぼくの喉がこくんと生唾を呑み込んだ。その音は子荻ちゃんにも聞こえたんじゃないかというくらい大きい。 「ちょっとだけお尻、上げてくれるかなぁ」 お願いすると子荻ちゃんは、素直に応じて腰を浮かせてくれる。 真っ赤な顔で目線を逸らすのが堪らなく可愛い。またまた激しくやばく、胸がドキドキしてきた。震えるほどビ~~~~ト!! 相手を脱がすという行為は、動物の世界でいえば、獲物に舌なめずりする様なものだろう。 トドメを刺さずに舌なめずりは三流。そんな格言だか何だかは聞いた事があるが、この愉悦をぼくに放棄させる説得力には欠けていた。 するすると滑るように、ぼくの手で脱がされる子荻ちゃんの純白のパンツ。 …………やっぱりこの魅力に逆らうのは、うん、ぼくには無理だ。そもそも逆らう気ゼロだし。 右足から下着を抜き取ると、左の足首にクルンと絡めたりする。なに。しがない戯言遣いのちょっとしたこだわりですよ。ええ。 膝小僧に手を置いて力を込める。 “グッ………ググ…………………ググッ……………” 逆らおうという気はないだろうが、やはりそこは温室、とはとてもこの高校いえないが、間違いなく純粋培養で育った可憐な乙女。 防衛本能が働いたみたいだ。 内腿をぷるぷると震わせて抵抗する子荻ちゃん。なんともぼくの嗜虐心を煽ってくれる。 色っぽく眉間にシワを寄せながら、無駄ぁ無駄ぁ無駄ぁ、な抵抗を試みたりしてくれていた。今のぼく。アドレナリン・ハイ。 そしてそんな、いつもより過剰にエネルギーをチャージしているぼくに、肉体的には一般人の域を出てない子荻ちゃんが適う訳もない。 解剖されるカエルのように無様な格好をさせて、フトモモをペタンと床に付くくらい開ききる。 「あ……ああ…………はぁ…………」 見られた。終に《戯言遣い》に《策師》は秘密を見られた。何とも切なげで色っぽいため息が唇から洩れる。 毛がチョボチョボと、見苦しくないくらいに生えている子荻ちゃんのアソコは、もう綺麗に綻んでいて、ぼくの視線を感じてなのか、 粘度の低そうな愛液を溢れさせて、涙を流すみたいに内腿を滑り落ちて床を濡らしていた。 「…………………………」 人間の外見の美醜などといったものは、所詮は皮一枚の価値しかない。 剥いでしまえばそこには戯言を挟む余地などはなく、皆公平に、真実一欠けらの差別も区別もなく、グロテスクな肉の塊のはずだ。 ならばこれはどういうことだろう? 今こうして戯言遣いの目を釘付けにしているものは、形状としては傷口と変わらないのに。 どうしてこの鮮やかなピンク色の粘膜は、こうまでぼくを惹きつけるのか。わからなかった。まるでわからなかった。 それはきっと理性などではなく、DNAに刷り込まれた、本能で感じる美しさなのだろう。 しかしそんな怪しげな結論を出しながら、それだけではないだろう、そんな確信めいたものがぼくにはあった。 魅入る。女子高生の。《策師》の。なにより子荻ちゃんの秘密だからこそ。魅入る。 学術的な理由がどうあれ、ぼくがぼくを納得させる為のロジカルは、サイコなロジカルはそれで充分。それだけで十全だった。 「…………………………」 極限までに細められた見えない糸に操られたかのように、ぼくは無言で子荻ちゃんの秘密へと手を伸ばす。 我ながら随分と情けない事に、パンチドランカーの如く震えている二本の指先を、不思議に柔らかな秘唇に引っ掛けた。 “くぱぁ……” 子荻ちゃんの秘めやかな唇を開くと、濡れ光る女の子の粘膜、その奥までが視覚に飛び込んでくる。 女性のヌードを見たことはあるが、蒼髪娘を風呂に放り込むときは、さすがにこんなディープ箇所までは見やしない。 誇張ではなくジ~~~~ンとぼくの胸は熱くなった。 もっと近くで見ようと顔を寄せると、息が当たったからなのか、子荻ちゃんがひくんと身体を震わせる。それにぼくは脊髄反射で、 “むちゅッ” 「うぁああッ!?」 ぼくは秘裂にむしゃぶりついた。 《策師》の腰をグイッと引き寄せると、慎ましやかな秘唇を掻き分けるように舌先を尖らせて、女の子の粘膜の奥へと侵入させる。 「うッ…うッ…んあッ……あッ…はぁんッ……あ…あぁんッ……ふぁッ…………」 舌に居場所を奪われた愛液が秘裂から零れ落ち、 “ちゅるん・じゅう・ちゅく・ちゅく・ちゅく…………” 「はひッ…ひッ……あッ……ひッ……あッ……ぁッ………はぁ……んぁッ……んぅッ!?」 ぼくがそれを音を立てて啜り上げるたびに、子荻ちゃんの頭は快感にガクガクと何度も仰け反っていた。 そんな《策師》のあられもない反応に気を良くしたぼくは、立て続けに尖らせた舌先をぬかるみの奥に挿し入れて掻きまわす。 「ふぁッ…あッ……やンッ……あふぁ……ン……んぁ………………はぁ……んぁッ……ひぁッ!!」 さらに音を立てて嚥下しつつ、ぼくはぷっくりと可愛く膨らんでいる女の子の真珠に吸いついた。 「ンあぁッ……はぅッ……んンッ………あぁんッ……ひッ……うぁッ!!」 強く吸われて子荻ちゃんは艶やかな悲鳴を上げる。右に左にとお尻は切なげに揺れていた。 しかしそれも見様によっては『お願い……もっと………』と、恥知らずにせがんでるようにも見えなくもない――――こともない。 ぼくはさらにさらに強く吸引しながら被っているフードを、剥いたり戻したり口内で器用にくり返す。 「はひッ…ひッ……あッ……あふぁッ!」 敏感すぎる快楽神経のカタマリに、集中口撃を喰らった《策師》の身体は、何ともあっけなかった。 子荻ちゃんのお尻はふわりと浮き上がり、ブリッジをして綺麗なアーチを描くと、ぶるぶると震えている身体をしばしホバーリング させたてから、ゆっくり静かに力無く床に落ちる。 「…………………………」 少女の真珠からそっと唇を離して子荻ちゃんを窺うと、その顔はヨダレが垂れたままのだらしのない顔で正体を失っていた。 それを確認すると、ぼくはさして気にもせずに、愛液でベトベトになった口元をぬぐう。 「…………美味……」 口の中いっぱいに広がっている子荻ちゃんの味。 どんな料理人だって再現出来っこない最高の味だ。いい。とてもいい。いいものは決してなくならない。 ぼくは独立した生き物のように、ひくひくと蠢いている子荻ちゃんの秘裂を一瞥すると、自分の穿いているスカートに手を差し込んだ。 ここまでくればすることは決まっている。ここまで来てしまえば、いくらぼくでも回り道はしない。 パンツに(さすがに下着は男物だ)手を掛けながら、この首吊高校に連れて来られてからの、諸々後悔を思い起こしていたが、 「子荻ちゃん……それに…………それに哀川さんに………感謝しなきゃな」 ぼくは決意を込めてそう言った。ところへ。出待ちでもしていたかのようなタイミングで、ハスキーで男前な声をかけられる。 「素直に感謝してくれたとこで、すぅんげ~~悪ぃんだけださ」 「!?」 後ろを取られた何てものじゃない。 ぼくは確かに油断しまくっていたろうが、息が掛かりそうなほどの近さ。心臓の鼓動が伝わりそうな距離まで接近を許していた。 だが警戒なんてものは、この人の前(後ろ?)じゃ何の意味もなさない。 それはしてもしなくても同じ事だ。 「男にしてやりたかったんだけど………………時間切れだわ。ごめんねいーたん♪ それとあたしのことを名字で呼ぶなって言ったろ?」 背中に何かが押し当てられる。 何か? それは多分。超小型だけれど、しかし黒く四角く重厚な、まるでスタンガンのような物体の先端だろう。 どすん、鈍い音が響いて、ぼくは子荻ちゃんの胸へと、もちろん狙っていたわけではないのが、顔面から倒れこんだ。 “むにゅ……” ああ、絶妙に柔らかいなこのクッションは。もう最高。 「解決編は、いーたんの目ぇ覚めてからしてやんよ」 そういやぼく、まだ子荻ちゃんの胸にはほんのちょっぴりも触れてないな。くっそぅ剣呑剣呑。 あきらかに使い方が違う戯言を心中でほざきつつ、ぼくの意識は少しずつ少しずつ溶暗していく。 「ま、そうは言っても。あいつ。何やってんだって訊く前に、どうも純真なお子様には衝撃的なものを見たらしいんだわ」 まだ何か哀川さんが言ってはいるが、ぼくの耳にはほとんど届いてはいない。 あ、そうだ。姫ちゃんは、姫ちゃんはどうしたかな? 哀川さんにちゃんと保護されてるのかな? 「勝手にぺラペラしゃべったあげくに逆ギレしやがってさ、これもいーたんのお手柄っちゃお手柄だな。たっぷりお灸はすえといたぜ」 目が閉じかける。閉じる前に映ったのは、なにやら細い糸のようなものでぐるぐる巻きにされている――――姫ちゃん? その小さな身体はときおりびくんびくんと、絶対に子荻ちゃんとは違った理由で痙攣していた。 「今……頑張ったいーたんのご褒……に、……うせ……園はもうダ……だ……ら、策師っ娘をプ……ントだ、やったじゃん♪」 断片集のセリフでも、何を請負人が言わんとしているかはわかる。 拉致って言葉を哀川さんは知らないんだろうか? 何よりそれをした場合、女の子というのが致命的だと知らないんだろうか? 子荻ちゃんの胸の柔らかさと心臓の鼓動を感じながら、確実にしかもとても厭な形で、ぼくの壊れた物語が加速していくのを確信した。 「……傑作だな」 意識の消える寸前。奇跡的に呟いたぼくの声に、 「戯言だろ♪」 たとえ見えなくともわかる。《人類最強の請負人》哀川潤はこれ以上ない満面の笑顔で微笑んでいた。 終わり 戻る
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「ゆらぁり…あれぇ…?これぇ……」 夕暮れの生徒会室。萩原子荻がテーブルにぶちまけた物品を、西条玉藻があさっていた。 詰まらなそうに窓の外を眺めながら、子荻が呟きに答える。 「生徒から没収したものです。およそ学業には不必要と思われるものばかりでしたから」 「これも没収したんですかぁ…?」 玉藻がつまんだのはピンクローターである。 「当然です」 「ふぅん…」 玉藻はスイッチをいじったりコードを指に巻きつけたり遊んでいる。 「先輩がぁ…使うんですかぁ…?」 座っていたイスを盛大に鳴らして、質問者より年上なはずの少女はにわかに取り乱した。 「なっ、何を言うのです!そんなもの使うわけ無いでしょう!」 「えぇー…獲物はぁ、奪ったほうが自由にして…いいんですよぉ…」 「そんなものを獲物と呼ばないで下さい」 無視して、先輩が使わないなら私もらっていきますね、と言ったことを呟く後輩に、子荻は固まる。 「…ダメです」 「じゃ…やっぱり先輩が使う…?」 「使いません!そんな意外に大きいもの入るわけありま…っ」 つい本音を口走ってしまったのか、子荻は一分前のクールさを捨て、慌てて口を抑える。 「先輩…顔…赤い」 「ゆ、夕暮れのせいです!」 「これで入らなかったらぁ……挿入できませんよぉ」 どうやら自分より性について進んでいるらしい後輩を、唇を噛んで見つめる。後輩は笑顔になって近寄ってくる。 「せんぱぁい…練習しませんかぁ…?」 誘いのわりに、きっちり逃げ道をふさいでいる。この調子では説得しても聞く耳を持たないだろう。 生徒会室はその日、深夜になるまで中からカギがかかっていたという。 戻る
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「ハッピーニューイヤー、ただし余命一年、みたいなっ!」 「縁起でもないよ巫女子ちゃん、っていうか服を着て」 「おう欠陥製品、とりあえずあれだ、蕎麦食わせろ蕎麦」 「フレンチクルーラー百個買ってきてくれたらな、人間失格」 「戯言遣いのお兄ちゃん、あけましておめでとうございます」 「崩子ちゃん、新年の挨拶くらい天井裏から降りてきてしようよ」 「ぎゃははははははっ!!おにーさん、ハッピーニューイヤー!!っつーわけで姫始めよろしく」 「おめでとう出夢くん、そして何故おもむろに僕の服を脱がそうとうわやめ(ry)」 「おういーたん、折角晴れ着なんだからアレやろーぜ、帯ぐるぐる」 「哀川さん、だから何故ぼくの帯を、ってあ~~れ~~」 「新年なのでおねーさんはいやらしいことをしたくなりました」 「一人でもやらないでくださいね、春日井さん」 「あなたと新年を迎える羽目になるとは思いませんでした」 「ぼくは嬉しいけどね、子荻ちゃん」 「~~~~~っ!!!(赤面)」 「ううっ……ぐすっ……あ、あ、あ、あたしなんか新年が来ても誰にも相手にされないんだよね、そうだよね、 だって誰もあたしにはおめでとう言ってくれないもの、いくつになっても一人、なんだよね、あはは、あは……」 「え……っと、おめでとうございます絵本さん」 「ゆらーり……ゆら……えーっと、何が……おめでたいんだっけ?」 「この季節にブルマは嬉しいけど寒くない?玉藻ちゃん」 「ようーーーーめでたいな、俺の敵」 「あ、おめでとうございます」 「やあ子荻ちゃん、おめでたいことだし私の妹にならないかい?」 「あなたとは初対面ですが全力で阻止させていただきます、双識さん」 「師匠~、謹賀ニューイヤーですよ」 「……まあ意味は合ってるから良しとするよ、姫ちゃん」 「いーちゃんーーーー」 「……友」 『今年も、よろしく』 ああーーーー なんて、戯言。 謹賀新年。 戻る
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最終話 絶望を胸に 尾張幕府を滅ぼす時…! 七花「チクショオオオオ!くらえ般若丸!新必殺七花八裂(改)!」 般若丸「さあ来い虚刀流ウウ!実はオレはあっさり死ぬぞオオ!」 (ザン) 般若丸「グアアアア!こ この十一人衆の般若丸が…こんな虚刀流に…バ…バカなアアアアアア」 (ドドドドド) 巴暁「般若丸がやられたようだな…」 灰賀欧「フフフ…奴は十一人衆の中でも最弱…」 皿場工舎「虚刀流ごときに負けるとは十一人衆の面汚しよ…」 七花「くらええええ!」 (ズサ) 10人「グアアアアアアア」 七花「やった…ついに十一人衆を倒したぞ…これで天守閣への扉が開かれる!!」 右衛門左衛門「よく来たな虚刀流七代目当主鑢七花…待っていたぞ…」 (ギイイイイイイ) 七花「こ…ここが天守閣の手前の部屋だったのか…!感じる…否定姫の否定力を…」 右衛門左衛門「七花よ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は私を倒すのに『七花八裂(改)』が必要だと思っているようだが…別に使わなくても倒せる」 七花「な 何だって!?」 右衛門左衛門「そして天守閣には否定姫と将軍しか残っていない つまり、あとは私を倒すだけだなクックック…」 (ゴゴゴゴ) 七花「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある このオレには、とがめとのフラグが立っているような気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」 右衛門左衛門「そうか・・・」 七花「ウオオオいくぞオオオ!」 右衛門左衛門「さあ来い七花!」 七花の勇気が尾張幕府を倒すと信じて…! ご愛読ありがとうございました! 戻る
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――とある昼下がり、神原宅にて―― 「ねぇ、神原。阿良々木くんに恐怖心を抱かずに抱かれるには、どうした らいいかしら」 「阿良々木先輩は戦場ヶ原先輩に危害を加えるなどという愚行をするよう な御方ではないと思うが……そうだな、あの人も男だからな。如何な阿 良々木先輩でも、[男=狼]という法則から逃れることはできない――かも しれない。少なくとも、それを責めることはできまい」 「そうね。いっそ本物の狼だったなら、歯牙にもかけずにすむのだけれど。 力でねじ伏せれば解決だもの」 「――それだ!普段から本物のケダモノ扱いをしていれば、いざ本番とな っても動じずにすむのではないか?うむ、我ながら実に妙案だ」 「あら、素敵な意見ね。さっそく明日からでも犬畜生扱いしてみるわ。で も、それだけだと弱いわね。他にも良い案はないかしら」 「うん、今ので、もう一つ思いついたのだが、日頃から徹底的に虐げて、 どんなときでも逆らわない従順な性格にするというのは、どうだろう?そ う――さながら犬の躾のように」 「あまり私を舐めないでちょうだい、神原。私はいつだって全力で阿良々 木くんをいたぶっているわ」 「これは失礼した、さすがは戦場ヶ原先輩だ。しかし――ふふ、こんなに 想われているなんて阿良々木先輩が羨ましいな。思わず嫉妬してしまいそ うだぞ。ああ、戦場ヶ原先輩に弄くられると考えただけで、私の中のマゾ の血が疼いてしまう」 「……ええと、神原。被虐的な興奮を覚えるのは、ほどほどにしておきな さいね?」 「何を言う!いくら尊敬する戦場ヶ原先輩の発言でも今の台詞は見逃せな いぞ!マゾ道というのは、ほどほどで極められるほど、浅い世界ではない のだ!」 「………………」 「ふむ、マゾ――そうか、発想の転換だ、戦場ヶ原先輩!逆に考えるんだ、 『乱暴にされればされるほど、感じちゃえばいいさ』と考えるんだ!」 「……却下よ」 「うう……どうして誰もわかってくれないんだ!一歩踏み出すだけで、新 しい世界が開けるというのに……」 「ああ、そんなに落ち込まないでちょうだい、神原。そのうち、阿良々木 くんをそっちの世界に送り込んであげるから」 「……仕方がない、他ならぬ戦場ヶ原先輩の提案だ。大変遺憾ではあるの だが、ここは固唾を呑んで、それで手を打とうではないか」 「この場合、呑むのは涙の方ではなくて?――いえ、そんな瑣末なことは どうでもいいわね。私はこんな物分りの良い後輩を持てて嬉しいわ」 「それは、私には過ぎた言葉だ。そう言ってもらえるだけで、天にも昇る 心地がするぞ。もしも勢い余って笑点してしまったら、責任を取っていた だきたいぐらいだ」 「その責任は阿良々木くんの管轄ね。普段はゴミの役にも立たないのだか ら、ツッコミが必要なときぐらいはそこにいて欲しいものだわ。ツッコミ しない阿良々木くんなんて、針のないホッチキスのようなものだというの に。私は大好きな神原に無粋なツッコミはしたくないのよ」 「うん?よくわからないが、私は阿良々木先輩に突っ込んでもらえばいい のか?」 「そのときは、状況を逐一、詳細に、水も漏らさぬ厳密さで私に報告なさ い。しかるべき手段で阿良々木くんを接待してあげるから」 「うん、任せてくれ!全ては戦場ヶ原先輩の思うままに」 「良い子ね、神原――それで、話を戻すけれど、他に何か良い手段はある かしら」 「ふむ、そうだな――直接的な解決にはならないが、それで構わないのな ら方法がないこともないぞ」 「何かしら?」 「ええと、阿良々木先輩の下手で無遠慮な愛撫でも気持ちよく感じられる ようになれば、恐怖感を抱きづらくなると思うのだ」 「なるほど、一理あるわね」 「うむ、ここからが本題なのだが、敏感になる為には誰かに体を開発して もらわなければならない。そして、開発をするパートナーは恐怖感を感じ ない相手――つまり、男ではなく尚且つ信頼できる間柄でなければならな い――ここまでは、よろしいか?」 「そうね、今のところ問題はないわ」 「ならば、話は早い。戦場ヶ原先輩の適切なパートナーである私に全て任 せてくれ。何、決して戦場ヶ原先輩の悪いようにはしない」 「ええ、何か上手く乗せられているような気がするけど、神原なら信じて あげてもいいわ――それで、私は何をすればいいのかしら」 「ただ、リラックスして私を受け入れていただければいい。さあ、横にな って目を瞑ってくれ」 「服装はこのままでいいの?」 「ああ、大事なことを忘れていた。ブラとパンツだけは外していただけな いだろうか。これは羽川先輩から聞いた話なんだが、阿良々木先輩は女性 のそういう姿に極度の興奮を覚える重度の変態だそうだ――本当にあの人 は何でも知っているのだな」 「ふうん、彼女がそう言うなら、それは真実なのでしょうね。ならば、そ れを利用しない手はない、ということね。さすが神原、目の付け所が鋭い わ」 「ふふ、またまたご謙遜を。目つきの鋭さでは、私ごときでは戦場ヶ原先 輩の足元にも及ぶまいよ」 「……ええ、あなたの柔和な笑顔が好きだから言うのだけれど、神原。あ なたは、私に影響を受けすぎる傾向があるのよね。それが、少し心配だわ ――余計なお節介だったかしら」 「まさか!戦場ヶ原先輩からいただけるものに、余計なものなど何一つと してありはしない!例えるならば、食べかけの飴やガムだって、私にとっ ては何物にも変え難い大切な宝物たりうるのだ!」 「ええと……、文脈的に、ここは神原の一途な想いに感動する場面でいい のよね?ええ、できることならば、後半の台詞はチリ紙に包んでゴミに変 えて欲しいのだけれど」 「ふむ――だが、余計なお節介ではないのだが、有難いお節介ではあるの かもしれないな。こういう風に考えられるようになったのは、決して戦場 ヶ原先輩への思いが冷めたからではなく、むしろ尊敬してるからこそなの だが――私はいつまでも戦場ヶ原先輩の臀部を追いかけまわすつもりはな いのだ」 「あら、それはそれで少し寂しい気もするわね」 「いや、くれぐれも誤解しないでいただきたい。遠くからあなたの背中を 見ているだけ――そんな黒色の百合生活はもう懲り懲りなのだ。私は戦場 ヶ原先輩ときちんと正面から向き合えるようになりたい。そう、つまり― ―戦場ヶ原先輩の臀部ではなく、胸部を目指して生きていくと私は誓った のだ!」 「………………」 「私は常々、戦場ヶ原先輩に近づきたいと思っているが、それは戦場ヶ原 先輩のようになりたい、ということとイコールではないということだ」 「ふふ、あなたは本当に良い子ね、神原。中学のときよりもずっと魅力的 になっているわよ」 「そんな、滅相もない。私の肉はともかく、内面的な女としての魅力は、 らぎ子ちゃんにすら及ばないのではないか?」 「あんな女臭いのと比べちゃ駄目よ。品性が下がるわ」 「そういうものなのだろうか」 「ええ、そういうものよ――さて、だいぶ話が逸れたわね。そろそろ、始 めてもらってもいいかしら」 「そうだな。半裸の戦場ヶ原先輩と楽しくトークするのも捨て難いのだが、 やはり据え膳というのは、愛でるものではなく食べるものだからな。ふふ ふ、……ふふふふ。」 「神原、そういう嫌な笑顔はよしなさい。まったく、誰に似たのかしら」 「では、始めさせてもらおう。最初は普通のマッサージのようなものだか ら、体の力を抜いて楽にしていてくれ」 「………………あら、気持ちいいけれど最初は胸を揉んだりするのではな いの?」 「ふふふ、最初に胸を揉むのは素人か童貞だ、戦場ヶ原先輩。性感マッ サージというものは、まず体のコリをほぐして血行を良くするところから 始めるのだ」 「ふうん…………うん、なかなかの腕ね」 「ああ、そうだろう。私はこういうのは結構上手いのだ。この技術のおか げで、あのバスケ部の結束が生まれたのだからな」 「どういうことかし…………いえ、深くは触れないでおくわ」 「ん、そうか、残念だ。だが、確かに他人の武勇伝、特にのろけ話の類は、 本人以外にとっては存外退屈なものかもしれないな」 「ええ、そういうことにしておいてちょうだい」 ――30分後―― 「…………お、そろそろ全身のコリもほぐれてきたか。よし、そろそろ愛 撫にうつるぞ」 「ええ、わかったわ……………………、あら、まだ胸や股間には手を出さ ないのね」 「ふふ、メインディッシュはとっておくものだからな。そもそも、女性の 性感帯というのは全身にくまなく散っているのだ。慣れてくれば、脇の下、 背中、耳、脇腹、うなじ、太もも、手のひら、内股、足の裏など、どこで も快感が味わえるようになるぞ」 「…………なんで、そんなに詳しいのかしら?」 「先ほども言ったとおり、バスケ部のハーレ――」 「ごめんなさい余計なことを聞いたわ。気にせずに続けて」 「うん、そうか。確かに、お喋りに夢中になりすぎるのはよくないからな。 …………ところで、気分はどうだ、戦場ヶ原先輩」 「…………そうね、気持ちいいというよりは若干くすぐったいという感じ かしら。でも、体中がポカポカしてきたわ」 「くすぐったいということは、敏感な性感帯になるということと紙一重だ。 やはり、私の見込んだとおり、戦場ヶ原先輩はなかなか素質があるな」 ――60分後―― 「…………………………」 「ふむ、戦場ヶ原先輩は、体はとても正直に反応するのに、顔は無表情な のだな」 「……ん、何か問題でもあるのかしら?」 「いや、阿良々木先輩 私 は反応があった方が喜ぶと思うぞ。普段は鉄面 皮な戦場ヶ原先輩が自分 私 の手で乱れたら、阿良々木先輩 私 は一発K Oだろう。ギャップ萌えというやつだな。あくまでも阿良々木先輩 私 の 話だが」 「神原、本音が漏れているわよ」 ――90分後―― 「…………ぁ……ん」 「おや、おやおや?やっと声が出てきたな、戦場ヶ原先輩。しかし、まだ まだだ!もっと快楽を受け入れろ!理性などドブに捨ててしまえ!一匹の メスになりきるんだっ!」 「ん……、いつのまに熱血体育会系のノリになったのかしら」 ――120分後―― 「……んんぅ、……ふぅ」 「ふふふ、こんなにも乱れている戦場ヶ原先輩を前にした私は、もはやた だの神原ではない――スーパーカンバル3だ!」 「ぁっ、ん……、いつのまに1と2を超えたというのっ!?」 「なに、そんな小さなことを気になされるな。さぁ、次はいざフュージョ ンといこうではないか、戦場ヶ原先輩!」 「ぁ…………そこはだめよっ!」 「安心してほしい、私は膣内には手を出さない。テンションが上がりすぎ て、処女膜を破ってしまったら阿良々木先輩に申し訳が立たないからな」 「とても安心できないオーラがひしひしと伝わってくるわね」 「私の冗談は下の口だけだから、大丈夫だ」 「くっ…………あ、……んっ」 ――150分後―― 「はぁ……はぁ……、ぁあっ!」 「ふふふ、もう限界のようだな、戦場ヶ原先輩。いいぞ、そのままイッて しまうんだ!」 「んんっ、ぁぁあっっ!!」 「ふぅ、ようやく1回か。だが、私達の戦いはまだ始まったばかりだ!」 「え?……いえ、私は今イッたばか――ひゃんっ!」 「さぁ、また絶頂と共に昇ってゆこうではないか、このはてしなく遠い女 坂を!」 「ち、ちょっと神原!?や、やめ――ひぅっ!あっ、だめっ!」 ――半日後―― 「……はぁっ……はぁっ、はぁっ……さすがに半日は堪えるわね」 「私はもっと期待に応えられるのだが……まぁ、正直に言うとまだ物足り ないのだ」 「……はぁ、ふぅ、神原は元気ね」 「うん、だが、これ以上は戦場ヶ原先輩が限界だからな。残念だが、続き はまたの機会だ。不幸中の幸いか、部活を辞めた今の私は、暇と性欲を持 て余している。私でよければ、戦場ヶ原先輩の納得がいくまで、とことん お付き合いさせていただこう」 「ええ、世話になるわね、神原。おかげで阿良々木くんとセックスする目 処がついたわ」 「うん――ただ、ここまでしておいて言うのも難なのだが、阿良々木先輩 が相手ならば、まず心配することはないと思うぞ」 「まあ、そうね。あの人はあれだもの」 「ああ、あの人はあれに違いない」 阿良々木暦は、誰にでも優しくて、いつだっていい人で―― 二人は異口同音に声を揃えて言った。 『『ヘタレ』』 戻る
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「あ、せんちゃん。いらっしゃい」 呼び鈴を鳴らすとららちゃんが出迎えてくれた。 「うん、誘ってくれてありがとう」 ららちゃんが『遊びに来ない?』と電話をくれたのは昨日のことだ。 特に用事もなかったので二つ返事でOKした。 暦お兄ちゃんも家にいるって聞いたから一緒に遊べるかもしれないし。 もちろん暦お兄ちゃんは受験生なんだからあまり期待はしていないんだけどひょっとしたら……とか。 そんなふうに思っていると、突然ららちゃんが両手を合わせて謝ってきた。 「それなんだけどごめん、ちょっとだけ出掛けなきゃいけなくなっちゃって!」 「あ……そうなんだ」 えっと、今日は出直した方がいいかな? そう考えたらららちゃんは意外なことを言った。 「お兄ちゃんも今出掛けてるけどすぐに帰ってくるから留守番していてくれるかな?」 「え?」 「さ、上がって上がって」 返事をする間もなくぐいぐいと引っ張られる。 しかも何故か暦お兄ちゃんの部屋に案内された。 ご丁寧にお菓子とジュースまですでに用意されている。 「じゃ、ちょっとの間よろしくね」 そう言ってららちゃんは出掛けていった。 「…………バレてるのかなぁやっぱり」 ニヤニヤしていたし。 さて、待っててと言われたものの手持ち無沙汰で特にすることがない。 「か、勝手に物いじっちゃ駄目だよね」 特に引き出しの中とかベッドの下とか。 暦お兄ちゃんにもプライバシーがあるし。 「で、でも偶然見えちゃうのは仕方ないよね……」 ごろんとその場で寝転がる。 そうするとたまたまベッドの下が見えてしまったけど不可抗力だ。 「……ん?」 本らしき物を見つけた。 「ひ、暇だからたまたま近くにあった本でも読ませてもらおうかな」 引っ張り出してみると、女の人が扇情的なポーズで表紙を飾っていた。 『眼鏡の委員長特集』という文字がやけに印象的だ。 どきどきして中身を見ようとしたとき、階下で物音がしてびくっとなる。 『誰もいないのかー』という声にすごく慌ててしまった。 暦お兄ちゃんが部屋に入ってくる。 …………うう、なんで押し入れに隠れたりしちゃったんだろ。 すごく出て行きにくい。 しかも慌てていたくせにお菓子とかジュースはしっかり持ってきてるし。 …………この本も。 『あれ?』 何かを訝しむ声が聞こえたので、そっと隙間から窺ってみる。 暦お兄ちゃんはベッドの下に手を伸ばしていた。 「変だな、あの本どこいっちゃったんだろ?」 (…………ここ) うう、撫子は悪い子です。 ちょっと自己嫌悪に陥っていると暦お兄ちゃんが立ち上がった。 お、押し入れとか探しにきたらどうしよう? でもそれは杞憂で、暦お兄ちゃんは部屋の戸締まりを確認してカーテンを閉めた。 (???) 「忍、起きてる?」 何をするのかと思ってると自分の足元に話し掛ける。 すると突然にゅっと女の子が出て来た。 (あの子って……) 学習塾のとこにいた子。 忍ちゃんはきょろきょろと周りを見回す。 「お前様一人か?」 「当たり前だよ、それよりアレしてもらっていいかな?」 アレって何だろう? そう思ってると突然暦お兄ちゃんは服を脱ぎだした。 (え……! わ! わ!) 全裸になった暦お兄ちゃんの股間がすごいことになっていた。 (昔お風呂で見たお父さんのと全然違う……) 固唾を飲んでいると、忍ちゃんがそこに顔を近付けた。 そのまま先っぽにちゅっとキスをする。 「ん……」 暦お兄ちゃんが呻く。 き、気持ちいいのかな? どきどきしながら見ていると忍ちゃんが立ち上がる。 「ふむ、今日は趣向を変えてみようかの」 「? どうするんだ?」 「お前様に不自由を課してみよう」 そう言ってどこからか紐を用意して、ベッドに座った暦お兄ちゃんを後ろ手に縛る。 「人間にはこういうプレイもあると聞く。ついでにこっちもじゃ」 忍ちゃんはアイマスクと耳栓らしきものを取り出した。 「おいおい、そこまでするのかよ」 「たまにはこんなのもよかろう?」 まずアイマスクを付けさせる。 「くくっ、実に変態みたいな格好でお似合いじゃよ」 「うるさい、早くしてくれよ」 「そう急くな、もう少し制約を付ける」 「……何だよ」 「まず儂の名を呼ばぬこと。そしてこちらからは動かぬ、どうしてほしいかをその口からちゃんと言葉にするのじゃ」 「なんでそんな条件出すのかよくわからないんだけど……」 「いいから従え、承諾せんとしてやらんぞ」 「……わかったよ」 「よし、なら少ししたら初めてやろう、焦らすのも一興よ」 忍ちゃんはそれを最後に暦お兄ちゃんに耳栓をする。 そこまで確認して目を離す。 (えっと……) とんでもないものを覗いてしまってるらしい。 会話から察するに時々こういうことをしてるようだ。 どうしたものかと思っていると、突然光が差し込む。 「ひっ」 「気配がすると思えば」 襖が開けられ、目の前に忍ちゃんが立っている。 「あ、あの」 「覗きとは趣味の悪いやつじゃな」 何か返事をする前に口を手で塞がれた。 「あまり大きな声を出すでない、感づかれるじゃろうが」 …………ということはこの子は暦お兄ちゃんにはバレないようにしてくれるのだろうか。 ひょっとしたら今のうちに出て行くよう言われるのかと思ってたら、腕を引っ張られた。 と言っても部屋から出されたわけではない。 むしろ逆で、ベッドに腰掛けた暦お兄ちゃんの前に座らされた。 その気配を感じたのか暦お兄ちゃんは足を大きく広げる。 当然だけど、忍ちゃんがいると思っているらしい。 「…………!!」 目の前にあるものを見て声を上げそうになるのを慌ててこらえる。 すごい。 びくびくと脈打っていて、はちきれそう。 「早く……さわって」 え? え? 忍ちゃんを見るとあごでしゃくってくる。 ごくりと唾を飲み、そっと手を伸ばす。 す、と触れると熱が伝わってきた。 (これが男の人の……) すごく熱くて固い。 指先で撫で回すと暦お兄ちゃんの身体がぴくんと反応する。 「ゆ、指じゃなくて……舌でして」 え!? えええええっ!? そ、それってこれを舐めるってこと!? (……で、でも) ちょっと怖いけど暦お兄ちゃんがしてほしいっていうなら。 思い切って顔を近付け、ぺろっと棒の真ん中あたりを舐める。 「あっ……もっと、して」 暦お兄ちゃんが気持ち良さそうな声を出した。 それがちょっと嬉しくなってぺろぺろと舌を這わす。 (うう……) ごめんなさいお父さんお母さん、撫子はいやらしい子です。 まだ中学生なのに男の人のを舐めて、喜んでくれると嬉しいなんて。 「んっ……カリの方も、舐めて」 (え、カ、カリって何?) 戸惑ってると忍ちゃんが指さして教えてくれた。 でっぱりのところを舐めると暦お兄ちゃんの身体がびくっと跳ねる。 動かれると舐めにくいので手できゅっと掴んで固定し、舌を這わす。 反応が楽しくて、言われてもないのに先っぽのツルツルしたところや割れ目も舐めまわした。 「下も……袋のほうも……してほしい」 口を離して目線を移す。 (確か……ここで精子が作られるんだよね) 保健体育の授業で習った。 (暦お兄ちゃんの精子……) ぺろ、と玉を舌で転がすように舐め、左右とも均等に交互に刺激する。 「あっ……いい」 最初はちょっと怖かったけど、今はなんだか可愛く見えてきた。 ちゅっちゅっといろんなところにキスをする。 撫子のファーストキス相手は暦お兄ちゃんになりました。 唇じゃないけど。 「そ、そろそろ……くわえて」 暦お兄ちゃんは切なそうに言う。 もう怖いとかは思わず、言われるまま口を開けて暦お兄ちゃんのを含む。 ちょっと大きくて口の中いっぱいになっちゃったけど、頑張って奥までくわえた。 「あ……口の中……あったかくて気持ちいい」 暦お兄ちゃん撫子のお口で気持ち良くなってくれてるんだ。 忍ちゃんがどうなのかわからないけど、今この瞬間だけは暦お兄ちゃんは撫子のものだよね。 カリを舌でなぞると暦お兄ちゃんはもう我慢できないというように叫ぶ。 「も、もうダメだ! ちょっと立つよ!」 撫子にくわえさせたまま暦お兄ちゃんは立ち上がった。 手を縛られて目隠しされてるのでバランスを崩しかける。 それをこらえたとき、喉の奥を突かれて咽せそうになった。 「動くよ」 暦お兄ちゃんが腰を前後に降り始める。 当然暦お兄ちゃんのが口を出入りした。 (うわ……) なんだかすごくエッチだ。 見上げると暦お兄ちゃんはすごく気持ち良さそうな顔だった。 もっともっと気持ち良くしてあげたくなる。 ぺろぺろと舌でいろんなところを舐めまわす。 「ああ、もうすぐいくよ」 え、え。 精子出ちゃうのかな。 撫子のお口で出しちゃうのかな。 暦お兄ちゃんの腰の動きが早くなる。 「指でしごいて」 「袋を揉んで」 「唇締めて」 「割れ目舌でほじって」 言われるままに手と口を動かす。 ぐうっと暦お兄ちゃんの身体が反った。 「いくよ! 出すよ! 口に出すよ!」 どくんっ! (んっ!) 口内で暦お兄ちゃんのが震え、粘っこい液が勢いよく放たれた。 思わず反射的に口を離そうとしたけど、忍ちゃんに頭を押さえられる。 びゅっびゅっと口の中に次々と出された。 「あっ……飲んで……飲んでっ」 こくん。 (!!) の、飲んじゃった! 暦お兄ちゃんに言われてつい……。 でも不味くはない。 そのままこくんこくんと口の中に溜まった精子を飲んでいく。 「全部……吸い出して」 ちゅううっと唇をすぼめて吸い出し、飲み込んで口を離す。 「はあ……」 とさっと暦お兄ちゃんはベッドに倒れ込んだ。 「気持ち……良かった……」 その言葉を聞いた忍ちゃんは声を出さずに笑い、撫子をドアの方に促す。 撫子はそっと部屋を出た。 き、今日の妄想はこれくらいにしておこうかな? ……うう、暦お兄ちゃんがあんなにエッチなわけないのに。 こんないやらしいこと考えちゃう撫子なんて嫌われるかな……? こ、これ以上は考えないようにしよう。 残りレスも少ないし、誰かが続きを見せて欲しいなんて言ってるわけでもないし。 だいたい七花×とがめを書くとか 890でエッチ無しを書くとか嘘ばっかりだもんね。 え、えと、次回は……ららちゃんの話でも妄想してみようかな? 戻る
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夏も終わり半袖は少し肌寒く感じてしまう季節になっただろうか。夕闇が迫りくる黄昏の道を僕は歩いている。 驚くべき事に僕は八九寺と待ち合わせをして会うような仲になってしまっていた。 会うと言ってもどこかへ遊びに行くという事は少なくただ散歩していたりまったり話しているだけのほうが多く 僕としては一緒にどこかへ遊びに行きたいのだが八九寺が遠慮してしまうのだった。 気にしないと言っているのだが自身が人に見えるか見えないかは八九寺にとって大きな問題になっているらしく 僕が他人からどう思われるか、どう見られるかをわざわざ気を使ってくれている。 いらない世話と片付けるのは簡単だが僕を思ってくれての事なので無碍にもできない。 お返しというわけではないがこちらとしても何かしてやりたいもんだと 秋に入ろうというのに夏服の格好のままの八九寺が気になっていた。 僕が上着を脱いでかけるのはオッケーな気もするけど普通に服着せるのは何かダメな気がするんだよな。 雪山に幽霊でも着られる洋服を織ってくれる人がいるなら、どんな目に遭ってでも取りに行きたいもんだ。 取り留めのない事を考えてるとたったったと軽快に走る音が聞こえる。 そろそろ待ち合わせの時間なので八九寺が来たのだろう。 「……阿良々木さーーーーん!」 声と共に背中にドンという衝撃とプヨンという感じの擬音が響く。プヨン?なんだそれ。 これも驚くべき事なのだが最近は僕が抱きつくだけじゃなく八九寺のほうから抱きついてくる事がある。 振り向こうとすると八九寺ががっちりと僕の背中を抱きつくというより拘束されているようで振り向けない。 背中の不思議な柔らさも違和感を覚えてしまう。 「助けてください!阿良々木さん!」 「八九寺。そのまえに離せ。動き辛い」 「わ、わかりました。覚悟してくださいね。笑わないでくださいね」 そう言って離れたので振り向くといつもと変わらない八九寺がそこにいた…………? と思ったら風船が詰められているとしか思えない胸元で白いブラウスと赤いリボンついでに サスペンダーがはちきれそうなほど押上げ膨らんでいた。 「わっはっはっははははは!」 「笑わないって言ったじゃないですかっ! 不自然なほど押上げ膨らんでいる胸を指差して笑う僕。怒る八九寺。 八九寺の身長は140cm代だろうにその胸は手で掴みきれないほど大きい。ありえねー。 「……うっ、くっ、は、八九寺、確かに僕は胸が、ぷっ、大きいのが好きとは言ったがそんな無理……ぐっ……しなくていいんだぞ」 両肩に手を置いて説き伏せる僕。ダメだ。健気とかそれ以前に色々面白い。 「ぷっくっく……いやお前にも小学生らしいとこあったんだな……くっく」 憮然そうに僕を睨む八九寺。いやだってその発想はねー。大きく見せるのにパッドとか 詰めるってのはあるけど風船入れたようなのはやりすぎだ。 「じゃあ確かめてください」 無表情で僕の手を胸元に引き寄せる。 ぷにょん えっ? 不自然なほど柔らかい何かに指が食い込んでいく。服の上からでもわかる張りは 指先を静かに押し返して詰め物ではありえない生の感覚を伝えてくる。 軽く握るとブラウスにみっちりと詰まった乳肉とおぼしき物がその豊かさを否応なしに主張しており 下から持ち上げると重量感ある佇まいは小さめのメロンを片手で持ち上げた時と同じ物を感じる。 手を動かすと大きさに似合わない小さい乳首に触れて僅かに八九寺が身じろぎをした。 と、八九寺が胸の手を引き離す。 「わかってくれましたか?」 「えっ、いやでも、そんな馬鹿な…………」 混乱と驚きで言葉がでない。本物ならば今の八九寺の胸は戦場ヶ原を超えて羽川に 勝るとも劣らない大きさになっており、どう見ても小学生そのものの格好と容姿からは 想像も、妄想も、発想すら生まれないようなボディになっている。 「もう一度言います。阿良々木さん。助けて下さい」 ポケットから何かを取り出して八九寺は言う。 「蝸が取れちゃったんです」 手の平には蝸と書かれている、いや蝸そのものの形をした何かが乗っていた。 えー? まよいカウ とりあえずいつもの公園に移動してベンチで腰を落ち着ける。ここは相変わらず人がおらず子供が遊んでいる姿など見たことがない。 「えーとつまり起きたときにはそうなってて、これが落ちてたと」 蝸の形をした物はキチン質とでもいうのか、1cmほどの厚みを持つ固い外殻に微細な凹凸と螺旋状の模様があって それはどうみても蝸牛の殻を蝸という形に成形したオブジェにしか見えない。 確か以前忍野から聞いた時、蝸はカかケと読んで普通蝸牛という単語以外で使われる事はない字だという話しだ。 これが作り物である可能性は否定できないがそんな物作る理由はないし八九寺がそうなった原因と関係ない。 横目で八九寺を、というか胸を見ると僕の腕が間に挟まるぐらいの膨らみがあるのが確認できて 亀仙人だったら迷わずパフパフをしてもらいに飛び掛っているところだろう。 いや亀仙人はロリコンではないからそんな事はしないのか? だがしかし亀仙人は300歳以上、ブルマは16歳 それに比べれば高3の僕と小5の八九寺とは 年齢差がないも同然。なんの問題もない。 「八九寺。その胸でパフパフさせてくれ」 これ以上ないほどのイケメン顔で頼む。 「阿良々木さんがどういう思考回路でその発言をするに至ったか興味が尽きませんがそんな場合じゃありません」 当然のように冷たい八九寺。 「けど、お前、これつまり、蝸牛から蝸を取ったら牛になって胸が大きくなったって事だろ。 怪異ってそんな適当でいいの?いや僕は全然構わないけどお前そんなんでいいの?」 大体ロリキャラは低い身長と幼い胸に折れそうな細い手足とか、脂肪が薄くてわずかに肋骨が見えるような体でも しっとり柔らかくて子供らしい高い体温とすべすべしたお肌とかその未成熟な自分の体にコンプレックスを持ってたりするのががウリだろうに。 特に八九寺はいつまでも成長しないと(思われる)いうのが大きな価値を持っているので わざわざそのウリを捨ててまで胸を大きくするなんて僕以外誰得という感じだ。 八九寺としても忍という8~27才ぐらいに変形可能なロリキャラにヒロインの 座を奪われないようと必死なのかもしれないが。 「私に言われても困ります!……こんな……胸が突然大きくなるなんて…… これでは私のロリロリ巨乳ボディを劣情の権化の魔ー羅々木さんが欲情して襲ってきてもしょうがありません!」 「僕をどこかの魔王みたいに呼ぶな!」 こいつ余裕しゃくしゃくじゃねーか。 つーか実際凶悪だよな。140幾つかの身長に不釣合いな巨乳はアンバランスさが 逆に不思議な魅力を醸し出してスカートから伸びる健康的な脚すらも性的なアピールに見えてくる。 道をこんな小学生が歩いていたら何かのドッキリだと思うかもしれないが、本物だとわかったら男の目を引き付けてやまないだろう。 あれ? 僕が興奮してるだけかも。 「目がエロくなっていますよ」 八九寺が首を傾け流し目で見つめて嬲るように問いかけてくる。ちょっと戦場ヶ原っぽい。 「正直言いましてそんな場合ではありませんし、一刻も早く私は元に戻りたいのですが 阿良々木さんがどうしても――――――私の大きな胸にどうしても興味があるとおっしゃるなら 少しばかり時間を取るのもやぶさかではありませんよ?」 刹那――――――――僕は疾風迅雷もかくやというスピードで八九寺に土下座をしていた。 60分の3秒で土下座る速度は人を超え怪異を超え吸血鬼となった僕にしか成し得ない! 「お願い致します!八九寺様の大きなお胸を触りたいです!」 「触るだけでいいんですか?」 「揉んだり、しゃぶったり、咥えたり、挟んだりしたいです!」 「阿良々木さんの手はなんのためにありますか?」 「八九寺様へ奉仕するためにあります!」 「阿良々木さんの体はなんのためにありますか?」 「八九寺様へお仕えするためにあります!」 欲望と共に人として大事な何かをあっけなく売り渡す僕。 人に持って生まれた本分があるとしたら八九寺様にお仕えするのが僕だけの役目だったということなんだろう。 「阿良々木さん―――」 「はい!八九寺様!」 「ぶっちゃけキモいです」 ドン底に突き落とされた。 「巨乳好きなのは理解していましたが、こうも露骨に態度を変えられると 逆に悲しくなってきます。私よりも胸のほうが好きなんではないですか」 くっ巨乳暦1日で巨乳っ娘の悩みベスト3に入りそうな台詞を言いやがって。 ここはビシッと八九寺の悩みを解消してやらないとな。 「八九寺……男はみんなそんなもんだから諦めろ―――」 ギンッと僕を睨みつつ柳眉とツインテールが角のように逆立ってマジで怖い。 「間違えた。もっかいだ」 不信というより不審な人を見るように僕を睨みつける八九寺の両肩に手を置いて真剣にじっと見つめ続ける。 怒ったままの八九寺は一分間は変わらないままだが、それが3分間も続くと 戸惑いと羞恥が垣間見え瞳が揺らぎ始める。目を逸らした瞬間に 「八九寺好きだ。胸なんて関係ない。愛してる」 と力強く告白すると、顔をこちらに向けぬまま小声でわかりました……とうなずく八九寺。 おち よし陥落た。 なんだかんだ言って僕の事が好きな八九寺が僕も大好きだ。 そのままキスをしようとすると素直に答えてくれる。 ひとしきりキスをした後目がトロンとしている八九寺に問いかける。 「いいよな?」 「うう、絶対誤魔化されています……ずるいです阿良々木さん」 抵抗をしない八九寺の巨乳を触るとキスをしながらもひゃうんと可愛い声をあげる。 密着した胸板と豊乳がぺったりとくっついて押し潰される。 胸を揉むと手の平に掴みきれないほどのマシュマロを掴んだような感覚があって その反発力はマシュマロの数十倍以上の張りで手を押し返してくる。 「ふっあぁ……」 大きいのに八九寺の反応がいい。 「いつもより感じてるんじゃないのか?」 問いかけると顔をわずかに赤らめて八九寺は答える。 「わかりませんけど突然敏感に……」 言うとおり、大きい胸を愛撫というより僕が好きなように弄くって強く握って 僕自身が楽しんでいるだけなのに八九寺は俯いて快楽を受けている。 「八九寺脱がすぞ」 「……やっ―――」 リュックを降ろさせてブラウスのボタンを外していくとみっちりと詰まっていた胸が ふよんと音を立てるように飛び出した。 「……凄い」 歩き回って日焼けしている手足と違い白い雪のようにきめ細かい肌の胸は 牛と言っても垂れたりしておらず八九寺の容姿をギリギリ崩さないよう大きさのバランスを保ち お椀型の完璧な乳房を形作って、わずかに重力で下にたゆんでいるのがわかる。 大きさのわりに以前より少しだけしか変わらない乳首が可愛く登頂に乗っていた。 両手で二つの乳房を持ち上げるとその重量感で僕は幸せに導かれる。 「うぁ……つ、強いです……」 さほど力を入れてるつもりないのに八九寺は腑抜けてしまっており後ろのリュックに体を預けかけている。 僕は両手でギュッと双乳を握り潰す。 「ひゃぁうぅぅん!」 思った以上の反応が心地いい。 乳房をグニグニと好きなように掻き混ぜるとそのたびに八九寺は喘いで快楽の声を響かせる。 「あぁ……あぁぁぁぁぁ!」 固くなりはじめてる乳首をコリコリと摘んで擦ると八九寺は声をあげすぎて喉が枯れてしまいそうだ。 僕の指でぐにゃりと胸が変形していくさまは大きな雪山が巨人の手で形を変えていくようで 指の隙間から溢れる乳肉は雪が零れ落ちそうだ。 「あ、阿良々木さぁん……」 泣きそうな八九寺の声を黙殺して胸を捏ね回す。 乳首を中心から離すように引き伸ばして胸の谷間を露出させると汗が肌を湿らせており 逆に乳首同士を擦り付けると強い刺激に八九寺は嬌声をあげる。 「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!」 根元から揉み上げるようにくすぐるように先端へと搾り出していくと八九寺の体は震えいやいやと首を振って身をよじる。 僕はそんな八九寺を見てより凶暴にギュッギュッと乳房を揉み扱いていく。 「うぁ、あららぎさん……」 「ヤバイ、八九寺の胸が気持ちよすぎて止められない」 快楽で甘く染まる八九寺の声に答えるが僕自身もほとんど余裕がない。 僕は胸を広げてそこに顔を押し付けた。 「あ、はぅん!!」 すべすべと張り付いた巨乳で顔を挟み動かし頬擦りをして左右の胸で僕の顔を扱く。 ぷるんぷるんと音がしそうなほど双乳を好き放題に動かし縦横無尽に顔を擦り 頬が乳肉という粘土へ埋め込まれそうなほど鼻息荒く押し付ける。 「ああもう、僕このまま死んでもいい……」 「……うぁ、あ、あ、息が……」 両手で僕の頭を引き離そうとも押し付けようともできず撫でてくれる八九寺。 見上げると目を瞑り息を荒げてるのに快楽に耐えながら僕の為すがままになっている。 僕は何かに掻き立てられるように八九寺の右乳首へを口をつけてしゃぶりつき 今までの意趣返しのように乳首周辺をはむっと甘噛みをした。 「ああ!あっっっ!あああーーーーーっ!」 しこり固まった乳首が前歯に蹂躙されて押し潰されてるのを感じる。 前歯で挟んだ乳首を、尖らせた舌で責め立て続けるとほのかに甘い味がした。 「いや!あ、あ、あふぅあっ!」 痛みを感じるスレスレの甘噛みがそれに倍する快楽を八九寺に与えて苦痛とも快楽とも取れる悲鳴が響き渡る。 僕は口で八九寺を苛めながら左胸を右手で優しく包んで撫でるように揉む。 「ああっ!うぅん……!阿良々木さん!お、おかしく、私おかしくなっちゃいます!」 右の乳首は歯と舌で固い果物を割るかのような刺激を与えられているのに 左胸はマシュマロで撫でて滑らせてるような柔らかい刺激で 八九寺の頭は苦痛と快楽のバランスが崩れてしまっているようだ。 「そのままおかしくなっちゃえよ八九寺」 右乳首を強烈に吸い上げて左乳首の根元をキュッと締め付ける。 「いやぁぁーーーッ!!!!!」 絶頂の声とともに八九寺の体が震えて、その瞬間強い甘みをもった白い液体が乳首から迸る! 僕は驚きを押し殺し吸い上げた勢いのままその液体を味わい嚥下して何度も何度も吸い上げる。 「あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 吸い上げるタイミングに合わせて何度も何度も何度も絶頂の悲鳴をあげた。 左乳首を右手で締め付け擦り根元から絞りだして揉みあげると溢れる液体で右手が濡れていく。 八九寺の震えが止まる頃には甘露を存分に味わい右手から滴るほどの量が零れ落ちていた。 ぐったりとリュックに八九寺はよりかかる。 「八九寺のミルクすっげぇ美味しかったぞ」 「……あ、はぁー、子供も……いないのに私……母乳が…………」 母乳というより文字通り牛乳のたぐいだろう。それも最高級なんて言葉じゃ追いつかないほどの味だ。 まるでバニラでも含んでるような香りと深いコクは小学生と牛の怪異が持ち合わせる味わいなのだろうか。 「ほら舐めてみろ」 ミルクが滴る右指を八九寺の唇に差し込んでしゃぶらせる。 「ちゅ、ぺろ、れろ、あ……ほんとに美味しいです」 指をぺろぺろと舐め自分のミルクをしゃぶり指先を一本ずつ舐めて咥えると根元までをしっかり味わう。 僕は指を舐められる気持ちよさとともに白い液体を味わう八九寺にちょっと興奮する。 まあ言うまでもなく、すでにズボンに形づくほど股間は固くそそり立っているのだが。 「ほらおかわりいるか?」 八九寺の胸を掴んで問う。 「……んぅ……私はドリンクバーじゃないんですけれど……」 「冗談だ。それより僕も我慢できないな」 ズボンとトランクスを下ろして股間のモノを露出させる。 興奮しきって血管が浮き出てるほど充血しきっている。 「あららぎさん、いつもより大きいです……」 恥ずかしながら八九寺の爆乳で思った以上に体が反応している様子。 「なんだか複雑な気持ちですけれど、私も阿良々木さんを気持ちよくさせてあげたいです」 そういって僕のモノに触れようとするが体を震わせてじたばたしている。 「八九寺?」 顔がみるみる朱に染まっていく。 「イッたばかりで動けません……」 腰が抜けているかのようにリュックにもたれかかって弛緩しきっているようだ。 「じゃあちょっと好きにやらせてもらうな」 僕はパーカーを脱きベンチに敷いて八九寺をそこに寝かせる。 頭だけリュックに乗せるようにするとベンチが簡易寝台へと変わって 背もたれのないベンチと八九寺を跨ぐと、体重をかけないよう肉の剛直を胸に宛がう。 「八九寺の胸使うぞ」 「は、はい」 巨乳を両手で掴み谷間に向かってモノを挟み込む。 「……うおっ!」 スベスベの柔肌に僕のモノが包み込まれて柔らかく纏わりつく。 挟み込んだだけなのに強い快感が僕を襲う。 そのまま腰を動かすと乳圧がぎゅっと搾り取るように竿を扱き 快楽に腰の動きを速めると零れていたミルクが潤滑油となり 水音がグチュグチュと鳴ってベタベタのドロドロのグジュグジュに胸とモノが絡み合う。 「……凄い、八九寺のおっぱい気持ちよすぎる……」 「あっ、私も、あっ、阿良々木さんのが、暖かくてっ、大きくてっ、気持ちいいですっ」 言うとおり乳肉が指と肉棒で自在に形を変え抜き差しされるたびに紅潮している頬は赤みを増しているようだ。 頬を撫でるとぷにぷにとした感触が伝わって頬擦りを笑顔で返してくる。 「……♪」 やべー超可愛い。普段小憎らしいくせに体を重ねる時は甘えてきやがる。僕も言えた義理はないけどさ。 けれど僕は可愛らしいと思う気持ちさえも欲情で塗りつぶして腰を使い八九寺のおっぱいを犯し始める。 ずちゅ ぐちゅ ずちゅり ぐちょ ずちゅ ぐちょ 突き入れると乳肉の狭い隙間で亀頭が締めつけられながら鈍い音を立て、引き抜くと圧迫している竿を惜しむように乳房が高く音を鳴らす。 生クリームに挿入したかのような崩れる柔らかさをモノ全体で感じ取って耐え難い快楽を伝えてくる。 「はっ、あっ、ふぅっ、あっ、ふぁ、」 気をつけてるつもりだけれど八九寺へ体重がかかるみたいだ。 だが腰の抽送に合わせるように呼吸する八九寺は胸と体を圧迫されてる事すら快楽に変わるらしく おっぱいを犯すタイミングに合わせて乳首からミルクがわずかに零れ落ち濡らしていく。 挟んだまま双乳を両手で上下に振るとおっぱい以外では味わえないと確信できる柔らかさがモノを包み込み 亀頭から竿の根元までを何度も扱き擦っていった。 八九寺のおっぱいを揉み潰して弄くって楽しんでるついでに剛直を刺激してる程度なのに凄く気持ちいい。 今度は上下動に胸を揺すらせ扱きつつ、腰を回すと重量ある乳房をダイレクトに肉棒が掻き回し竿全体でおっぱいを味わい尽くすようだ。 興奮しすぎてすでに限界が近い。双乳をギュッっと谷間で押し潰す。 「ひぃあぁぁぁぁ!」 強すぎる圧迫で八九寺は悲鳴をあげるが、溢れる欲情のまま乳房を膣に見立て激しいピストンを始める。 ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ! 「あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!」 ミルクが激しく掻き混ざる音と八九寺の嬌声がシンクロして響き渡る。 縦に押し潰された乳房で肉棒の先から根元まで隠れて全体が気持ちいい。 僕自身が八九寺の胸と一体化し快楽を分け合い絶頂へと昇り詰めていく。 激しい抽送が欲情の限界へと達すると窮屈な乳穴へ向かってミルクよりも濃い白い精液が噴出する! ドク!ドク!ドク!ドク!ドク!ドク!ドク!ドク!ドク!ドク! 「うおぁ…………ッ!」 「ああああぁぁぁぁっっっっ!」 谷間へと精液がどんどん溜まっていき赤みがかかった白い肌が欲望の白へと塗り替えられていく。 乳房で幹を根元から先端へと押し上げねぶるようにマッサージし竿から尿道の精液を搾り取る。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、あ、熱いです…………はぁ、はぁ、はぁ」 胸を犯された八九寺は快楽と精液の匂いに酔っているかのように顔を赤らめて深い呼吸を繰り返している。 射精が収まりモノを抜き取って谷間を開くと精液とミルクと僕らの汗で ドロドロでグチャグチャでジュクジュクで湯気が出そうなほど凄い事になっていた。 「……エロいな」 少しばかり興奮して胸を鷲掴みにし混ざったカクテルをさらに掻き混ぜる。 「あっ、あっ、あっ、うぅぁ……」 乱暴に胸をぐちゃぐちゃにされている八九寺は口を大きく開け息を荒げ舌を出している。 左手で乳首周辺を摘み上げ右手で八九寺の頭を胸に近づける。 くちゅと小さく水音を立てて乳首が八九寺の唇に触れ合った。 「んぅぷ」 「ほら八九寺。吸ってみろ」 素直に乳首をちゅうちゅうとしゃぶる八九寺。 「んっ、んぅ……ちゅ、ちゅ……」 甘い甘いミルクを味わいながら乳首への吸引で快楽を享受する八九寺。 巨乳小学生が自らの乳首を吸う行為に興奮する僕。 …………また立ってきたな………… 夢中で自らの乳首を味わう八九寺を尻目に肉竿をヘラにして胸からお腹に流れているカクテルを掬う。 「ちゅぱ、ちゅっ、んっ、んっ、ちゅ、ちゅっ…………んぐ!」 精液とミルクがたっぷり塗されているモノの先端を八九寺の唇に差し込んだ。 八九寺は不意打ちに目を見開くが、すぐに先端を唇で抑え赤ちゃんがおしゃぶりするかのよう吸い付く。 「ちゅ、ちゅっ、くちゅ……んっ」 口内はとても熱くて舌と唾液が温水のように絡みついて気持ちいい。 甘いミルクと精液が混じった味は想像できないけれど、八九寺は美味しそうに亀頭を舐め取り 奥まで入れても幹に吸い付いて綺麗にしてしまう。 それどころか綺麗にしてもらったのを抜き取ろうとすると 「…………欲しい……です。阿良々木さんと…………私のをください……」 と、情欲に酔った目で僕を見上げて口を淫らにだらしなく開けて催促してくる。 先ほどと同じようカクテルを掬って口内へ運んでいく。 肉のスプーンでクリームをたっぷりと掬い食べさせてあげるように口元へ持っていくと 舌を伸ばして亀頭を受け止めて混じったものを舐め取り続ける。 「ちゅる、ちゅー。ちゅぱ、れろ、れろ、れろ」 自分の精液が混じってるのでとても舐めたいとは思わないけれど 本当に美味しそうに味わって、それでいて僕のモノが気持ちよくなるよう 唇で軽く締め付けてくれたり舌先を尖らせてで尿道をほじってくれたり口全体で愛撫してくれている。 何度も掬って八九寺がしゃぶり、何度も掬って八九寺が飲み込み、何度も掬って八九寺が味わい 繰り返すとべたつきを残して胸とお腹からカクテルが消え八九寺の胃へ全て嚥下された。 僕はカクテルが咀嚼されて飲み込む様に魅了されそのまま口を犯す。 「んおっ!」 既に猛りきったモノは八九寺の口には大きすぎるが抽送は止まらず 艶やかな唇を割り内頬を膨らませて舌の弾力さで快楽を得つつ咽喉奥までを故意に突き上げる。 「げふっ!、んぁっっ!んぉぉぉ!」 口の隙間から息が漏れ、だらだらと唾液が零れ落ちる中それでも八九寺は舌を使い僕を射精へと導こうとする。 その表情は苦しみだけではなく僕自身を愛しているという悦びすら感じさせた。 「んっ、んっ!ちゅ、ぺろ……んっ、!」 あっけなく僕は八九寺の口内へ達して欲望を吐き出す。 「……ずちゅ、ごく、ごく、ずず、ちゅっ…………げほっっっ!」 途中まで吸引して飲み込んでいた精液が吐き出され腰を引きながらも僕は射精が止まらない。 モノが勢いよく振りまかれ精液が八九寺の顔にべったりと張り付いて幼い顔へ白く化粧を施した。 「げぇっ!えほっ!けほっ……」 二度目の射精で冷静になった僕は八九寺が先ほどから大量の液を飲んだ事を思い出し あまりにも無理な事をさせた事に気づく。何度も体を重ねた事はあっても無理な口内射精はこれで二回目か。 「すまん八九寺!やりすぎた……」 「い、いえこちらこそ全部飲めないですみません……」 精液で顔を汚されているのに殊勝すぎる態度に頭を撫でながらよくやってくれたと伝える。 賢者モードの僕は八九寺と自身の身支度を終えて本題の巨乳現象に取り組む事にした。 蝸のオブジェをリュックに詰めてみたり額に当ててみたりしても何も起きないため とりあえず胸に当ててみたらするっと吸い込まれて質量保存とかエネルギー保存とかを無視して胸がひっこむ事に気づく。 この間、わずか3分 「お前さ、これ本当に気づかなかったのか?」 状況としては、むしろ試さないほうが可笑しい位の方法なのだと思うけれど。 「おお!凄いです。阿良々木さん!巨乳への偏報的執念が成せる名推理です!」 「それを言うなら偏執的だ」 「巨乳へ固執してると認めるんですね!」 偏執と執念と固執って全部同じような意味じゃねーか。どれだけ僕は巨乳へ執着心あるんだよ。―――あるけどさ。 「いいから質問に答えろ八九寺」 じーっと不審な目つきで睨む。今度は1分ほど立った頃だろうか。 (……実は試しました…………) 小声で返事が返る。 「……ってことはお前、どっちにでもなれるの?」 無言のまま、むむむと八九寺が念ずると胸からぽーんと蝸が飛び出して色々な何かを無視して胸がどんと大きくなる。 また入れると質量保存(略 むむむと念じて(ry また入れると(ry 生ままもーry 「うはっww超おもしれーwwwwwwww」 「遊ばないでください!!!!!!!!!」 ぷんぷんと胸が大きいまま怒る八九寺。やっぱ気に入ってんのか。 「冗談だよ、冗談、それにわかってるんだぜ。八九寺。わざわざサプライズしてまで僕の事を楽しませたかったんだろ?」 意表を突かれ驚きを通り越してしまったが八九寺が僕のために大きいままで来たのは疑いようがない。 「んーそうですね。阿良々木さんが以前仰っていた ぱっつんぱっつんのメリハリボディが好きというのを意識していました」 それ僕地の文で言ってた気がするんだけどな…… 「辞世の文を覗くぐらい造作もありませんね♪」 「付け足した上字変えるな!あと僕が死にそうだろ!」 ぱっつんの メリハリボディが 好きなのだ 阿良々木暦 こんな辞世の句詠んで死んでたまるか。 「まぁまぁ阿良々木さん。本当は不本意なんですよ」 胸を下から両手でぷよぷよと持ち上げながら言う八九寺。ほんとかよ。 「けれど阿良々木さんの好みならそれも悪くないです。きっと神様がプレゼントしてくれたんですよ。」 どれだけ特殊な趣味の神様が気になってしょうがないが怪異の特殊性と言ったら際限がない。 もしかしたら一人の少女の想いに答え、できる範囲での成長方法をとったのかもしれない。 怪異とは善意でも悪意でもなくただそこに在るだけでそこに不思議も不可能も何もない。 幸い自由が利くようなので困った時は困った時に考えよう。 「そうだな。八九寺」 そう言いつつ僕は改めて胸に手を伸ばすのだった。 「ひゃうん」 戻る